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2022 年度 実績報告書

母乳がミクログリアを介して脳の発達に与える影響について

公募研究

研究領域グリアデコーディング:脳-身体連関を規定するグリア情報の読み出しと理解
研究課題/領域番号 21H05611
研究機関群馬大学

研究代表者

定方 哲史  群馬大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (90391961)

研究期間 (年度) 2021-09-10 – 2023-03-31
キーワードミクログリア / IgG / 抗体 / 母乳
研究実績の概要

我々は免疫組織化学染色にて検討を行ったところ、P4.5~P8.5の脳梁、小脳白質部におけるミクログリア細胞に、IgGへの結合が見られた。一方、海馬、中脳、延髄におけるミクログリア細胞にはIgGの結合が殆ど見られなかった。
Flow Cytometryにより、ミクログリアに発現しているIgG受容体を解析したところ、CD64の高い発現が見られ、CD16およびCD32の発現も見られた。
我々はミクログリア初代培養を用い、IgGの添加の有無による遺伝子発現変化を、RNA-Seqにより網羅的に解析した。その結果、IgG添加群でType Iインターフェロン関連遺伝子群の上昇が見られた。Type IインターフェロンはStat1のリン酸化により、各種遺伝子の発現を誘導する。IgGによりStat1のリン酸化を解析したところ、濃度依存的にStat1をリン酸化していることが分かった。
母親のIgGは胎児期においては胎盤、生後は小腸から吸収される母乳にて子に移行する。我々はCRSIPR/Cas9システムを用い、C57BL/6J マウスでFcRnが全身で欠失したKOマウスを作製した。野生型とFcRn KOマウス間で体重や脳重量において有意差は見られなかった。FcRn KOマウスの脳ではミクログリアへのIgGの結合は消失していた。大脳におけるミクログリア細胞の密度を測定したところ、P8.5のFcRn KOにおいて有意に減少していた。また抑制性ニューロンの密度に関しては、calbindin陽性細胞、parvalbumin陽性細胞共にP21のFcRn KOマウスの大脳で有意に減少していた。オリゴデンドロサイトに関しては、MBP陽性細胞がP6.5の脳梁で有意に減少していた。
また、網羅的行動解析も行った。その結果、FcRn KOマウスは野生型マウスに比べ、社会的相互作用の時間が上昇していることが明らかになった。

現在までの達成度 (段落)

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (8件) (うち招待講演 3件)

  • [雑誌論文] Maternal immunoglobulin G affects brain development of mouse offspring.2024

    • 著者名/発表者名
      Sadakata M, Fujii K, Kaneko R, Hosoya E, Sugimoto H, Kawabata-Iwakawa R, Kasamatsu T, Hongo S, Koshidaka Y, Takase A, Iijima T, Takao K, Sadakata T.
    • 雑誌名

      Journal of Neuroinflammation

      巻: 21(1) ページ: 1-20

    • DOI

      10.1186/s12974-024-03100-z.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Maternal immunoglobulin G affects brain development of mouse offspring2024

    • 著者名/発表者名
      Mizuki Sadakata, Tetsushi Sadakata
    • 学会等名
      第13回国際放射線神経生物学会
  • [学会発表] 母乳に含まれる抗体が仔の脳に及ぼす影響についての解析2023

    • 著者名/発表者名
      定方瑞樹、定方哲史
    • 学会等名
      2023年度東日本研究医養成コンソーシアム 第13回「夏のリトリート」
  • [学会発表] The Influence of Breast Milk on Brain Development via Microglia2023

    • 著者名/発表者名
      Mizuki Sadakata, Keizo Takao, Ryosuke Kaneko, Takatoshi Iijima, Tetsushi Sadakata.
    • 学会等名
      第46回日本神経科学大会
  • [学会発表] 母性因子がミクログリアを介して子の脳の発達に与える影響の解析2022

    • 著者名/発表者名
      定方瑞樹、高雄啓三、金子涼輔、飯島崇利、定方哲史
    • 学会等名
      NEURO2022(第45回日本神経科学大会/第65回日本神経化学会大会/第32回日本神経回路学会大会)
  • [学会発表] 母乳がミクログリアを介して子の脳の発達に与える影響について2022

    • 著者名/発表者名
      定方哲史
    • 学会等名
      第5回 和光-精神神経懇話会
    • 招待講演
  • [学会発表] 子の脳の発達に影響を与える母乳の因子について2022

    • 著者名/発表者名
      定方哲史
    • 学会等名
      産学連携協定締結金融機関等意見交換会
    • 招待講演
  • [学会発表] 子の脳の発達に影響を与える母乳の因子について2022

    • 著者名/発表者名
      定方哲史
    • 学会等名
      フードテックグランプリ2022
    • 招待講演
  • [学会発表] 母性因子がミクログリアを介して子の脳の発達に与える影響の解析2022

    • 著者名/発表者名
      定方哲史、高雄啓三、金子涼輔、飯島崇利
    • 学会等名
      NEURO2022(第45回日本神経科学大会・第65回日本神経化学会大会・第32回日本神経回路学会大会 合同大会)

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公開日: 2024-12-25  

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