研究領域 | 脳の若返りによる生涯可塑性誘導ーiPlasticityー臨界期機構の解明と操作 |
研究課題/領域番号 |
21H05698
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
山室 和彦 奈良県立医科大学, 医学部, 学内講師 (60526721)
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研究期間 (年度) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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キーワード | ニューロモデュレーション / 前頭前野 / 幼若期隔離モデル / 社会ストレスモデル / 拘束ストレスモデル |
研究実績の概要 |
幼若期隔離マウス(jSI)、社会敗北ストレスマウス(SD)、拘束ストレスマウス(RS)を用いて各種行動実験を行った。SDとRSで吊り下げ試験で無動時間の増加を認め、前頭前野を標的とした深部脳刺激(DBS)にて、これらの改善を認めた。次に、jSIとSDで3chamber taskによる社会性行動の低下を認め、DBSにてこれらの改善を認めた。jSI、SDおよびRSにてオープンフィールドと高架式十字迷路を行い、活動量と不安行動に異常を認めたが、DBSにてこれらの改善は認めなかった。複数匹同時解析を可能とするAR-LABOにおいても同様に行っているが、解析を行っている段階であり、引き続き解析を継続する。少なくともDBSを用いたニューロモデュレーションにより社会性行動などを改善する効果が証明された。 DBSによる興奮性シナプス後電流(sEPSC)と抑制性シナプス後電流(sIPSC)の影響を錐体細胞、パルバルブミン(PV)陽性インターニューロンで解析をした。錐体細胞ではsEPSCの頻度に影響はなく、sIPSCの頻度が増加し、PVインターニューロンではsEPSCの頻度が増加し、sIPSCの頻度が低下した。これらから、PVインターニューロンでは活動性が増加していることが予想される。精神疾患ではPVインターニューロンの機能異常が認められており、DBSによるニューロモデュレーションによって改善する可能性が示唆された。 sIPSCの波形からPVあるいはSST由来の入力を判別する機械学習を行っている。現在、インターニューロンの発火タイミングの予測を可能しており、今後はSSTインターニューロの解析を進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
特に問題なく進めているため。
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今後の研究の推進方策 |
AR-LABOの解析を進めていくことと、ホールセルパッチクランプ法ではソマトスタチン陽性インターニューロンへのDBSの影響を調べることとしている。 また、sIPSCの波形からPVあるいはSST由来の入力を判別する機械学習を行っている。現在、インターニューロンの発火タイミングの予測を可能しており、今後はSSTインターニューロの解析を進めていく。
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