研究領域 | DNAの物性から理解するゲノムモダリティ |
研究課題/領域番号 |
21H05763
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
新海 創也 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 研究員 (60547058)
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研究期間 (年度) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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キーワード | ゲノム構造 / ゲノム動態 / 高分子モデリング / 流体力学的相互作用 |
研究実績の概要 |
バネビーズモデルにおける流体力学的相互作用がそのダイナミクスに与える影響を調べた。まず、流体力学的相互作用を低レイノルズ数下でのOseenテンソルやRotne-Prager-Yamakawaテンソルで導入し、さらにpre-averaging近似を用いた。系は線形である一方で、流体力学的相互作用によって非可換な行列積が固有値問題の対象となる。そして、その固有値問題は理論的に定式化でき、数値的に解くことが可能である。その結果、各モードの緩和時間スペクトルにおいて、特徴的なクロスオーバーが存在することがわかった。さらに、バネビーズモデルをフラクタル次元で特徴付けられる凝縮・弛緩した高分子モデルに拡張しても、その存在は同様に観測された。すなわち、そのクロスオーバーポイントを境に高次・低次モードの流体力学的相互作用への応答が異なることがわかった。現在、これらの基礎的な知見に基づいてゲノムDNAの動的な階層的組織化原理における流体力学的相互作用の影響を解析を進めている。 さらに、3次元ゲノム構造解析法によるHi-Cデータを解読するソフトウェア「PHi-C法」のアップデートに成功した。まず、Hi-Cデータと高分子モデルのパラメータ間における数学的な対応関係を明らかにすることに成功した。さらに、最適化アルゴリズムの改善によって、計算スピードと精度が飛躍的に向上した。そして、ユーザビリティの向上のために、コマンドラインインターフェースによる仕様設計に変更した。現在、論文を投稿し、プレプリントはbioRxivにて公開している(https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2022.05.06.490994)。ソースコードに関してはhttps://github.com/soyashinkai/PHi-C2で公開している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究計画通りに進んでいることに加え、3次元ゲノム構造データを解析する計算手法を劇的に改善することができ、より詳細に動的な3次元ゲノム状態を定量化することができるようになったため。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画は順調に進行しているので、次年度計画も計画に沿って計画を推進する。
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