公募研究
自然画像刺激のに対するカテゴリ視線選好については、刺激の呈示サイズ、呈示時間、タイミングの調整等を行い、最適化した結果、多くの刺激で安定して視線選好が見られることがわかった。選好が見られる割合は、経日的にも安定していることがわかった。多数の自然画像から構成されたカテゴリ刺激セット(12 カテゴリ(顔、ボディーパーツ、道具、建物、昆虫、紙、金属、ガラス、葉、等) x1000 刺激)に対する注視行動を調べたところ、カテゴリカルな視線選好性が見られた。2つの自然画像をどちらを先に見るか(First look(FL))とどちらかの画像を見ていた時間の差(Differential Looking Time(DLT))について注目して、定量解析した結果、一部のカテゴリペアについてはカテゴリバイアスが統計的に有意であることが示された。 この結果は、サルの注視行動が高次のカテゴリ認知を反映している可能性を示している。また生物学的な重要性が示唆されている毛の刺激については、他のカテゴリの刺激に比べて選好性は低いことがわかった。一方,フォトリアリスティックな毛の Computer Graphics(CG) を用いて、 同一物体について、毛の有無で選好性を調べたところ、毛の生えた物体に選好性が高いことがわかった。上側頭溝を含む下側頭葉皮質及び内側前頭前野から側方前頭前野を覆う領域に皮質脳波電極を留置した。選好注視課題遂行時の神経応答計測した。
2: おおむね順調に進展している
1頭の個体から、多数の自然画像から構成されたカテゴリ刺激セット(12 カテゴリ x1000 刺激)に対する注視行動を調べる行動実験 、及び毛の刺激に)に対する注視行動を調べる行動実験を終了した。また同時に、下側頭葉皮質、前頭前野からの皮質脳波記録を行うことができたため、おおむね順調に進展していると考えられる。
自然画像刺激のに対するカテゴリ視線選好については、今後も実験を継続して、新たな刺激ペアについての視線行動を計測して、すべてのカテゴリペアについて統計学的な検討に十分な試行数を記録していく。また毛のCGについてはCG生成時のパラメータを変化させて毛の質感にさまざまな操作を加えた時、毛の質感カテゴリ(ふさふさ、ツヤツヤ、ボサボサ等)に対する選好性を検討していく。さらに同時に計測した脳活動の変化について検討していく予定である.また2頭目のサルを準備して実験を開始し、再現性を検証していく。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件)
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