公募研究
本研究の目的は極大/極小部分グラフ列挙で用いられる技法を一般の離散構造への拡張を目指すことである.特に本研究では独立性システムというグラフよりも一般的な離散構造である独立性システムに着目した.独立性システムとは台集合 E 対し,次の性質を満たす E の部分集合の族 I である.I は空集合を含み,I が X を含むならば,Xの任意の部分集合は I に含まれる.この独立性システムの極大部分集合を列挙する問題は P ≠ NP の仮定のもと,効率良い列挙アルゴリズムが存在しない.しかし,入力制約問題とよばれる問題が効率よく解けると仮定するとこの問題は効率よく解ける.しかし,多項式遅延というより制限したクラスを考えると,この関係は十分条件にしかならない.このギャップは長年列挙アルゴリズム分野で大きなギャップとなっており,列挙アルゴリズム分野の中心的な問題に対しても,入力制約問題が多項式時間で解けないため,多項式遅延列挙が容易ではない問題が多かった.しかし,2019年にこのギャップを部分的に埋める方法が発見され,多くの極大/極小部分グラフ列挙問題が多項式遅延で列挙できることが明らかになった.本研究ではこの技法で用いられたアイディアをもとに独立性システム上の列挙問題について多項式遅延列挙ができるかどうかについて研究を行った.本研究の結果として,独立性システムの一部であるマトロイドマッチングで表現できる離散構造は多項式遅延で解けることを明らかにした.しかし,他の具体的な問題についてはこれらの知見を生かすことは容易ではなかった.さらに,独立性システム上の列挙問題の多くは極小横断と似た難しさを持っているため,これまで列挙アルゴリズム分野で考えられてきた困難な問題と似た問題を多く持っていた.そのため,初年度に得られていた結果を多少拡張した結果しか得られなかった.
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (4件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)
48TH INTERNATIONAL WORKSHOP ON GRAPH-THEORETIC CONCEPTS IN COMPUTER SCIENCE
巻: - ページ: 342~355
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Proceedings of the AAAI Conference on Artificial Intelligence
巻: 36 ページ: 3758~3766
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Theoretical Computer Science
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PODS '22: Proceedings of the 41st ACM SIGMOD-SIGACT-SIGAI Symposium on Principles of Database Systems
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10.1145/3517804.3524148