研究領域 | 分子サイバネティクス ー化学の力によるミニマル人工脳の構築 |
研究課題/領域番号 |
21H05863
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
三友 秀之 北海道大学, 電子科学研究所, 准教授 (50564952)
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研究期間 (年度) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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キーワード | 金ナノロッド / 刺激応答 / アレイ |
研究実績の概要 |
金属ナノ粒子は表面プラズモン共鳴現象と呼ばれるバルク材料とは異なる特性を示す。中でも、棒状の金ナノ粒子(金ナノロッド)は近赤外領域に強い吸収を有し、光アンテナや高感度バイオセンサー、医用応用等への応用で注目されている。この金ナノロッドの性質を制御し、高度に活用するためには、金ナノロッドの配向および集合状態を自在に制御可能にすることが重要である。研究代表者はこれまでに、「DNAブラシ」を利用したシステムに着目し、このDNAブラシに適度な静電相互作用力を賦与した金ナノロッドを吸着させることで、自己組織化的に垂直配向固定化できることを明らかにした。さらに、溶液環境を変えることで基板上で金ナノロッドの配向や集合状態を可逆的に制御できることも明らかにしてきた。一方で、これまでのシステム(溶液環境の変化によるもの)では、位置選択性がない等の課題があり、制御性の高い刺激に応答するシステムへの展開が期待されている。そこで本研究では、制御性の高い刺激である「光照射」による金ナノロッドの集合状態の制御システムを目指している。具体的には、温度応答性を賦与した金ナノロッドを調製し、DNAブラシに導入することで温度変化に応答して状態が制御可能な金ナノロッドアレイを作製する。続いて、金ナノロッドが有する光熱変換機能を利用し、光照射により局所的にナノ粒子を加熱し、その熱をトリガーとして金ナノロッドアレイの状態を可逆的に制御可能であることを実証する。 令和2年度は、研究代表者が開発してきた表面被覆分子によって温度応答性を有する金ナノロッドを調製し、DNAブラシ基板に吸着させた状態でも温度に応答して可逆的に集合・脱集合可能であることを確認した。さらに、表面被覆分子を検討することで、応答温度の調整を行い、適当な温度で応答可能な金ナノロッドアレイの調製に成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度においては、研究代表者が開発してきた表面被覆分子によって温度応答性を有する金ナノロッドを調製し、DNAブラシ基板に吸着させた状態でも温度に応答して可逆的に集合・脱集合可能であることを確認した。さらに、表面被覆分子を検討することで、応答温度の調整を行い、適当な温度で応答可能な金ナノロッドアレイの調製に成功した。また、温度応答性分子で被覆した金ナノロッドの分散液に光照射を行うことで、金ナノロッドの集合化が誘起できることも確認した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、基板上のDNAに吸着しながら動くナノ粒子の運動性について、より深い知見を得ていく。それとともに、導入した暗視野顕微鏡システムにより、光照射による局所的な金ナノロッドの状態制御を調べる実験を進める。
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