• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

ダイヤモンド検出器を用いるルミノシティモニターの開発研究

公募研究

研究領域フレーバー物理の新展開
研究課題/領域番号 22011006
研究機関大阪市立大学

研究代表者

山本 和弘  大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (80303808)

キーワード素粒子(実験) / ダイヤモンド / 粒子測定技術
研究概要

茨城県東海村の大強度陽子加速器施設J-PARCのT2Kビームラインにおいて、ダイヤモンド検出器に大強度のミューオンを照射して得られたデータの解析を行った。J-PARCでは、今年度始めより東日本大震災からの復旧作業が続けられていたが、12月には主リングでの陽子加速も確認し、T2Kビームラインでも再びニュートリノビームの生成ができるようになった。ビーム強度も昨年度平均と比べて3倍の150kWを達成したが、このビーム強度でもダイヤモンド検出器は安定して信号を出力することが確認された。データ解析の結果、ダイヤモンド検出器の前に設置されているPINフォトダイオードで得られた信号強度と比較して、ミューオンの照射量とダイヤモンドの信号の大きさとの非線形性は1%以内、信号の強度測定精度である(標準偏差)/(平均値)の時間変動は0.5%以内と、高い安定性を示した。ビーム強度が上がると、ダイヤモンド検出器内で生成される電子-ホール対の数も増加するので、(標準偏差)/(平均値)の値自体も、50kWのときと比べて倍近く良くなった。
また、ダイヤモンドのバンドギャップは5.47eVであるので、波長が220nm~230nmの紫外線によって電子を伝導帯の励起することができ、信号を得ることができる。ただ、今回のダイヤモンド試料は両面が金でメタライズされており、紫外線を入射することができるのは500μm幅の側面からのみという制約があったが、それでもセットアップを工夫して重水素ランプからの紫外線を照射し、信号を得ることができた。また、このことは、ビームラインに設置された検出器に対し、ビームが出ていないときにも回路の接続状況を確認できるという利点を与えることができた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] First muon-neutrino disappearance study with an off-axis beam2012

    • 著者名/発表者名
      K.Abe, K.Yamamoto, et al.(T2K Collaboration)
    • 雑誌名

      Physical Review D

      巻: 85 ページ: 031103(R)-1-031103(R)-8

    • DOI

      10.1103/PhysRevD.85.031103

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Indication of Electron Neutrino Appearance from an Accelerator-Produced Off-Axis Muon Neutrino Beam2011

    • 著者名/発表者名
      K.Abe, K.Yamamoto, et al.(T2K Collaboration)
    • 雑誌名

      Physical Review Letters

      巻: 107 ページ: 041801-1-041801-8

    • DOI

      10.1103/PhysRevLett.107.041801

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The T2K Experiment2011

    • 著者名/発表者名
      K.Abe, K.Yamamoto, et al.(T2K Collaboration)
    • 雑誌名

      Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A

      巻: 659 ページ: 106-135

    • DOI

      10.1016/j.nima.2011.06.067

    • 査読あり
  • [学会発表] Diamond detector as a high intense particle monitor2011

    • 著者名/発表者名
      山本和弘
    • 学会等名
      特定領域「フレーバー物理の新展開」研究会2011
    • 発表場所
      三重県三重郡菰野町鹿の湯
    • 年月日
      2011-07-01

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi