• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

LHC時代のフレイバー物理による新物理学模型の探求

公募研究

研究領域フレーバー物理の新展開
研究課題/領域番号 22011007
研究機関工学院大学

研究代表者

進藤 哲央  工学院大学, 基礎・教養教育部門, 准教授 (60553039)

キーワード素粒子 / LHC / フレイバー物理
研究概要

LHCが本格稼動した23年度は,LHCの実験結果を注視しつつ研究を行った。特に,標準模型が内包している問題点の解決を図る意図で考えられた新物理学模型に対し,フレイバー物理を議論するために避けて通れない,ヒッグスセクターの物理に関して,精力的に研究を行った。
標準模型を拡張した場合,そのビッグスセクターも拡張されることが非常に多い。このようなヒッグスセクターの拡張は,フレイバー物理に対しても多大な影響をおよぼし得る。このため,本研究では,拡張ビッグス模型の特徴を系統的に研究し,フレイバー実験において薪物理学模型を探求する可能性の議論を行った。
本研究の結果として,超対称性模型のビッグスセクターを拡張した場合の,デカップリング効果をより深く理解することができた。具体的には,4つの2重項が含まれるような超対称性模型に対し,標準模型の極限では消えてしまうが,最小超対称性標準模型の極限ではノンデカップリング効果として残るような効果が可能であることを示した。このような効果は,LHC実験やリニアコライダー実験などによるヒッグスセクターの精密測定で特定できる可能性があるまた,標準模型の抱える問題点の一つである,バリオン数生成について,電弱バリオン数生成に必要な,1次相転移を実現する新しい超対称性模型の提案を行い,このような模型のヒッグスセクターの構造や特徴について,今後重要となるであろう議論を展開することができた。
この研究成果は,超対称性拡張ヒッグス模型のフレイバーセクターを詳細に調べるための土台となる重要な成果であると考えられ,新物理学模型の詳細を探求するという,本研究が当初目指していた目標に,より近づくことができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究では,フレイバー物理等の将来予測される実験を通じて新物理学模型の詳細を明らかにする方法を提示することが目的であった。23年度においては,ヒッグスセクターの詳細を実験で測定することにより,新物理学模型のある種の特徴を明らかにできる可能性を議論した。このように,当初の目的であった,新物理学模型の詳細を明らかにする方法の探求という目的に向けて,研究は比較的順調に進展しているといえる。

今後の研究の推進方策

本研究課題の今後の推進に関しては,フレイバー物理も含めて,より多くの方法により,新物理学模型の詳細を明らかにする方法を提示していく予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Decoupling property of the supersymmetric Higgs sector with four doublets2011

    • 著者名/発表者名
      M.Aoki, S.Kanemura, T.Shindou, K.Yagyu
    • 雑誌名

      JHEP

      巻: 1111 ページ: 038-0-038-30

    • DOI

      10.1007/JHEP11(2011)038

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Fisrst-order electroweak phase transition powered by additional F-term loop effects in an extended supersymmetric Higgs sector2011

    • 著者名/発表者名
      S.Kanemura, E.Senaha, T.Shindou
    • 雑誌名

      Physics Letters B

      巻: 706 ページ: 40-45

    • DOI

      10.1016/j.physletb.2011.10.046

    • 査読あり
  • [学会発表] 強い1次相転移が実現する新しい超対称拡張ヒッグス模型における電弱バリオン数生成のシナリオ2012

    • 著者名/発表者名
      兼村晋哉, 瀬名波栄問, 進藤哲央
    • 学会等名
      第67回日本物理学会年次大会
    • 発表場所
      関西学院大学,日本
    • 年月日
      2012-03-25
  • [学会発表] Extended SUSY Higgs sector and first-order electroweak phase transition2012

    • 著者名/発表者名
      T.Shindou
    • 学会等名
      KEKPH2012
    • 発表場所
      KEK,日本
    • 年月日
      2012-02-29
  • [学会発表] Decoupling property of the SUSY Higgs sector with four doublets2011

    • 著者名/発表者名
      青木真由美, 兼村晋哉, 進藤哲央, 柳生慶
    • 学会等名
      日本物理学会2011年秋季大会
    • 発表場所
      弘前大学,日本
    • 年月日
      2011-09-18
  • [学会発表] Decoupling property of the SUSY Higgs sector with four doublets2011

    • 著者名/発表者名
      T.Shindou
    • 学会等名
      Summer Institute 2011
    • 発表場所
      富士吉田,日本
    • 年月日
      2011-08-13

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi