公募研究
多彩な物性を示すペロブスカイト系遷移金属酸化物のデバイス応用のためには、高品質エピタキシャル成長技術が不可欠である。その基板としてSrTiO3(001)が幅広く使用されているが、従来の化学エッチングやアニールによって調製した表面構造は、ステップ/テラス構造は得られるものの原子スケールにおいては面内方向には無秩序に近く、より精密な薄膜初期成長の議論には、面内方向にも秩序だった原子配列をもつ基板を用いた薄膜成長が必須である。そこで本研究では、面内方向にも原子レベルの秩序をもつSrTiO3(001)-(√<13>×√<13>)再構成表面上にSrTiO3ホモエピタキシャル極薄膜を作製し、界面付近における薄膜の初期成長過程について、原子スケール観察を行った。その結果、単結晶基板および薄膜第1層のいずれの表面においても明瞭な(√<13>×√<13>)構造の観察に成功した。この(√<13>×√<13>)構造の最表面層がTiリッチになっていることを考慮すると、界面において薄膜第一層のコヒーレントエピタキシーが実現していることが示唆される。このような原子制御基板を用いることにより、酸化物薄膜の成長初期状態が原子レベルで明らかになり、高品質薄膜作製につながると考えられる。
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