公募研究
さまざまな機能を発現する遷移金属酸化物絶縁体を用いた電子デバイスの開発を行っている。特に、良好なデバイス特性を引き出すための手段として、本研究では、遷移金属酸化物層やその界面にデバイスを動作させる機能元素をドーピングしたデバイスに着目している。平成22年度は、エピタキシャル遷移金属酸化物で構成された金属-絶縁体-金属構造の電子デバイス開発において機能元素ドーピングやサイト置換を行うことで、目的のデバイス特性を発現させることに成功した。具体的は下記を行った。(1)スピン偏極電流生成デバイスである、強磁性絶縁体を障壁層に用いたスピンフィルタートンネル接合素子を開発した。強磁性絶縁体障壁層に用いたペロブスカイト型酸化物の機能元素置換することと、強磁性絶縁体障壁層/強磁性金属層(スピン偏極電流検出層)界面の強磁性結合を原子層・分子層スケールでの界面制御を行うことで、これまで報告された中でもっとも高いスピン偏極率を得ることに成功した。作製したデバイスの非弾性散乱トンネル分光測定を行うことで、トンネル過程を詳細に調べ、高いスピン偏極率を得るための指針を得ることに成功した。(2)次世代不揮発性メモリ素子として期待されている抵抗スイッチング素子の上部電極界面であるAl/Pr_<0.7>Ca_<0.3>MnO_3界面に、抵抗スイッチング現象を引き起こす欠陥準位を形成することが期待される機能元素をドーピングすることで、抵抗スイッチング現象の多値化に成功した。また、この機能元素ドーピングにより、素子の動作確率も飛躍的に向上した。このような界面制御と機能元素ドーピングは、高性能な不揮発性メモリ素子への展開が期待できる。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (14件)
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