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2010 年度 実績報告書

発生期に新しく誕生した神経細胞が分化過程で増殖能を失うメカニズム

公募研究

研究領域細胞周期フロンティア-増殖と分化相関
研究課題/領域番号 22019010
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

味岡 逸樹  東京医科歯科大学, 脳統合機能研究センター, 准教授 (10348790)

キーワード網膜 / 水平細胞 / Rbファミリー
研究概要

中枢神経系の発生において、個々の神経細胞は、特定の神経細胞への運命決定、最終配置部位への移動、シナプス形成などの一連の過程を経て分化を遂げる。この細胞分化過程において、多くの神経細胞は増殖能を失い、強制的に細胞周期を進めると細胞死を起こす。しかし、細胞分化過程のどの段階で増殖能を失うのか明らかになっていない。これまでに我々は、癌抑制遺伝子であるRbとそのファミリー遺伝子を網膜特異的なCre(Chx10~Cre)を利用して欠損させると、水平細胞のみが増殖し、桿体細胞が排除されることを明らかにしてきた。しかし、Chx10-Creは網膜内でモザイクストライプ状に発現するため、これらの表現型が細胞自律的なものかどうかを区別できなかった。そこで、Rbファミリーを欠損した細胞でのみGFPを発現するマウス、Chx10-Cre;Z/EG;Rb Lox/Lox;p107-/-;p130 Lox/Loxマウスを作製して解析した。このマウスでGFPを発現していない網膜の細胞は、6種類の神経細胞が正常な割合で存在したのに対し、GFPを発現した価ファミリー欠損細胞では、水平細胞の過増殖と桿体細胞の欠失が認められ、それ以外の神経細胞タイプの細胞分化には影響を与えなかった。これらの結果から、水平細胞の過増殖と桿体細胞の欠失は細胞自律的であることが判明し、それ以外の神経細胞タイプは正常に分化することが判明した。今後は、Z/EG;Rb Lox/Lox;p107-/-;p130 Lox/Lox網膜へ時期特異的にCreを発現するプラスミドを遺伝子導入し、細胞分化過程のどの段階でRbファミリーを必要とするのかを明らかにする。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 癌抑制遺伝子Rbに着目した網膜発生研究から網膜芽細胞腫研究への展開2011

    • 著者名/発表者名
      味岡逸樹
    • 学会等名
      第88回日本生理学会大会・第116回日本解剖学会総会・全国学術集会・合同大会
    • 発表場所
      横浜(震災のため誌上開催)
    • 年月日
      2011-03-29
  • [学会発表] The Role of the Chromatin Modifier That Regulates Rb Family Functions in the Developing Mouse Retina2010

    • 著者名/発表者名
      Itsuki Ajioka
    • 学会等名
      第10回アジア環太平洋神経化学会大会
    • 発表場所
      タイ王国・プーケット
    • 年月日
      2010-10-18
  • [学会発表] 癌抑制遺伝子Rbとそのファミリー遺伝子の網膜発生における役割2010

    • 著者名/発表者名
      味岡逸樹
    • 学会等名
      Neuro2010(第33回日本神経科学大会・第53回日本神経化学会大会・第20回神経回路学会大会合同大会)
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2010-09-03

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公開日: 2012-07-19  

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