研究領域 | タンパク質社会の研究の総合的推進 |
研究課題/領域番号 |
22020002
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
魚住 信之 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40223515)
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研究分担者 |
佐藤 陽子 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (40455803)
浜本 晋 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (10533812)
七谷 圭 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (00547333)
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キーワード | 膜挿入 / 膜タンパク質 / TAタンパク質 / トランスロコン / マルチスパン / 小胞体膜 / 膜電位センサー / GET |
研究概要 |
1.膜電位依存性Kチャネルは6回の膜貫通部位(S1~S6)をもち、膜電位センサーのS4に数個の正電荷残基が存在する。細菌由来チャネルKvAPの膜電位センサーのin vitro膜組込み解析を行った結果、S3は組込み特性を持たないが、S4はN末端側を小胞体内腔へトランスロケートさせる活性を見出していた。本研究において、S4のN末端側に大きな水溶性ドメインを融合させるとSA-I活性が阻害されたことから、S4のSA-I活性は比較的弱いことが分かった。S4のSA-I活性によりS3は強制的に膜内に引き込まれると考えられており、S3が正常な膜内の位置で停止には、S3-S4間が短いこと、およびS3とS4間の静電相互作用が必要なことが示唆された。S2とS3内の負電荷残基のS4内の正電荷残基に部位特異的変異を導入したところ、S2内のAsp72とS4内のArg123およびArg126の静電相互作用が示唆される結果を得た。 2.Tail-anchor型(TA)膜タンパク質は、短いC末端の膜貫通部位(TM)とN末端側の細胞質ドメインからなる1回膜貫通型の膜タンパク質である。TAタンパク質は、膜結合型リボソームが関与しないsignal recognition particle非依存的経路によって、翻訳後にER膜に標的化され膜挿入されると考えられている。最近、TAタンパク質の標的化にGet1-5からなるGET複合体の関与が明らかになってきた。本研究ではTAタンパク質の標的化におけるTM前後の電荷残基の影響を評価した。TAタンパク質TMのN末端側に正電荷を導入すると小胞体膜へ標的化されやすくなった。立体構造情報に基づくGet3上のTAタンパク質結合部位予測には2つの説がある。本研究の成果よりGet3 C末端領域の負電荷残基露出部位がTAタンパク質結合部位であることが示唆された。
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