【平成22年度】Atg32-Atg8および-Atg11間相互作用の解析とAtg32機能ドメイン決定 Atg32は、ミトコンドリア・オートファジーの選択性を規定する鍵タンパク質であり、オートファジー関連因子Atg8およびAtg11と直接相互作用する。この相互作用がミトコンドリア分解に重要であるかどうかを検証するため、Atg32変異タンパク質とAtg8およびAtg11との相互作用について、免疫共沈降アッセイで調べた。これにより、Atg8やAtg11との結合に異常の見られる変異Atg32を単離し、それら変異タンパク質を発現する細胞でミトコンドリア分解の効率が低下することを見出した。また、atg11欠損細胞におけるAtg32-Atg8、atg8欠損細胞におけるAtg32-Atg11間相互作用も同様に解析した。その結果、Atg8はAtg11に依存せずに、またAtg11はAtg8に依存することなくAtg32と結合することが示唆された。以上の知見より、Atg32が2つのオートファジー関連タンパク質と物理的に協調して機能すること、それがミトコンドリア分解に重要であることが明らかとなった。 Atg32は、N末端側を細胞質、C末端側をミトコンドリア膜間部に露出した、1回貫通型膜タンパク質である。ミトコンドリア分解に必要なAtg32機能モジュールを決定するため、欠失変異コンストラクトを作製し、それらの機能を調べた。その結果、Atg32の細胞質ドメインを外膜にアンカーさせることで、ミトコンドリア分解が促進されることを見出した。Atg32のミトコンドリア膜間部ドメインの役割については、現在解析を進めている。
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