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2010 年度 実績報告書

分子シャペロンの新たな機能特性の探求と付加的新機能開発研究

公募研究

研究領域タンパク質社会の研究の総合的推進
研究課題/領域番号 22020025
研究機関鳥取大学

研究代表者

河田 康志  鳥取大学, 工学研究科, 教授 (40177697)

キーワード蛋白質 / 生体分子 / シャペロニン / GroEL / 機能特性 / アミロイド線維抑制
研究概要

分子シャペロンの一つであるシャペロニンの機能発現機構について研究を行い,以下のような成果を得た。
1:シャペロニンGroELのフレキシブルC末端領域とヒンジ部位の役割解明
GroELの柔軟性に富んだC末端領域に存在しているKNDAAD配列をタンデムに繰り返して導入した場合,3回まではシャペロニン機能はあまり変化しなかったが,4回繰り返した場合,大きな機能低下が起こることが分かった。しかし0.5M KCl存在下では,野生型と同程度のシャペロニン活性を示した。これらの結果から,シャペロニンのC末端の天然変性ペプチド領域はKNDAAD配列の電荷と大きな関係があることが明らかになった。また,アピカルドメインとインターメディエートドメインをつなぐヒンジ2部位のGly残基を大きさの異なる様々な残基に変化させ,シャペロニン機能を調べ,このヒンジ部位のGroELの機能発現機構への重要性の理解を深めた。
2:Thermoplasma acidophilum由来のシャペロニンの機能解明
T.acidophilum由来のシャペロニンは単量体として多く存在しているので,この単量体シャペロニンの機能を調べた。その結果,Sup35蛋白質のアミロイド線維形成を抑制する機能があることが判明し,その部位としてアピカルドメインのヘリカルプロトルージョンが重要な役割を果たしていることが明らかになった。これまでシャペロニンのアミロイド線維形成抑制機能は不明だったので,この種のシャペロニンの機能としてこれは初めての例である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Chaperonin-encapsulation of proteins for NMR2010

    • 著者名/発表者名
      Shinji Tanaka, Yasushi Kawata, Gottfried Otting, Nicholas E.Dixon, Katsumi Matsuzaki, Masaru Hoshino
    • 雑誌名

      Biochim.Biophys.Acta/Proteins and Proteomics

      巻: 1804 ページ: 866-871

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ヤヌスの二つの顔:大腸菌シャペロニンGroELの頂上ドメインに関する最近の研究2010

    • 著者名/発表者名
      溝端知宏, 河田康志
    • 雑誌名

      生化学

      巻: 82 ページ: 612-617

  • [雑誌論文] タンパク質のフォールディングを補助するシャペロニンの構造と働き2010

    • 著者名/発表者名
      溝端知宏, 河田康志
    • 雑誌名

      鳥取大学大学院工学研究科/工学部研究報告(紀要)

      巻: 41 ページ: 29-35

    • 査読あり
  • [学会発表] Modulation of the altered functional characteristics of circularly permutated GroEL through the introduction of disulfide bonds2010

    • 著者名/発表者名
      Tomohiro Mizobata, Tatsuya Uemura, Toshifumi Mizuta, Yusuke Yakushiji, Kazuhiro Isaji, Takuya Okada, Kunihiro Hongo, Yasushi Kawata
    • 学会等名
      The 4^<th> International Symposium on Molecular Science of Fluctuations toward Biological Functions
    • 発表場所
      Otsu
    • 年月日
      2010-11-30

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公開日: 2012-07-19  

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