研究領域 | タンパク質社会の研究の総合的推進 |
研究課題/領域番号 |
22020027
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
近藤 久雄 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (20205561)
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研究分担者 |
十津川 剛 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教 (90399684)
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キーワード | 小胞体 / 膜融合 / p97ATPase / ユビキチン / VCIP135 |
研究概要 |
分泌蛋白質や膜蛋白質は、小胞体に於いて作られた後にゴルジ体に送られ、そこで修飾・選別されて、目的地に送られていく。これら小胞体やゴルジ体はそれぞれ網状構造と扁平膜積層構造という特徴的な形態を呈しているが、これらの形成維持に働く細胞内膜融合機構として97ATPaseによる膜融合機構がある。 細胞内小器官は、分裂期に入ると小胞化して細胞質全体に広がり、細胞分裂期終期に於いて娘細胞に於いて再構成される。この娘細胞における再構成に必要なp97膜融合機構としてp97/p47経路を我々は見出しており、さらに間期における細胞内小器官の維持に必要な膜融合機構としてp97/p37経路を報告している。さらに我々は、このうちのp97/p47経路によるゴルジ体の再構成がVCIP135の脱ユビキチン化活性を必要とすることを先に明らかにしている。そこで、今回は、小胞体におけるp97ATPase膜融合機構がVCIP135の脱ユビキチン化活性を必要とするかどうかについて検討した。 そこで先ず、小胞体の網状構造を試験管内で再構成するin vitro系を立ち上げた。この系において、脱ユビキチン化活性を持たない変異VCIP135が、p97/p47及びp97/p37経路の両方に於いて依然として機能していた。また、VCIP135と結合してその脱ユビキチン化活性を促進するWACは小胞体には存在せず、WACの発現を抑制しても小胞体の形態には変化は見られなかった。以上から、小胞体の形成に働くp97膜融合経路に於いては、VCIP135の脱ユビキチン化活性は必要でないことが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
試験管内で小胞体の網状構造を再構成する我々独自の系が動きだしたので、今後のより一層の研究の進展が望みうる。
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今後の研究の推進方策 |
小胞体形成に働くp97膜融合経路の新規因子をさらに同定していきたい。
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