研究概要 |
平成22年度は、BiP3プロモーターにGUS遺伝子を連結した遺伝子を導入した植物を用いて、1)GUS活性の誘導が起こらない変異体のスクリーニング、2)BiP3P::GUS遺伝子の異なるエコタイプ及びbZIP60欠損株への導入、3)BiP3の誘導抑制及びbZIP60の切断の有無の確認を予定した。1)に関しては当初の予定の20,000個体を上回る30,000個体のスクリーニングを行い100以上の候補変異体を獲得した。2)で目的としたことは、変異体の遺伝子同定のためのマッピングに用いる植物の作成と、変異体スクリーニングのためのネガティブコントロール作成である。前者は実験途中であるが、後者に関しては遺伝子破壊株へのBiP3P::GUS遺伝子の導入に成功し、bZIP60が破壊された植物でのBiP3の発現誘導をGUSでモニターすることができ、スクリーニングの指標とすることができた。得られた変異体は順次次世代の種子を取り、GUS活性の誘導に加えて内在性BiP3の誘導をノザンプロット法で解析することで変異体であるかどうかの判断をおこなっている。これまでに少なくとも10個以上の変異体でBiP3のツニカマイシンによる誘導が抑制されていることを確認している。bZIP60のウエスタン法も技術的には確立できているので、23年度はbZIP60の活性化を調べるとともに次世代シーケンサーを活用して変異体の原因遺伝子の同定を進めて行く予定である。
|