公募研究
本研究のテーマは.(1)ERADに関与し、小胞体内を微小管に沿って循環するBap31を介した小胞体とミトコンドリアの連結、(2)小胞体から偶発的に搬出された膜タンパク質を小胞体に返送(逆行輸送)する働きを持つRer1のクオリティコントロール(ERADを含む)への寄与である。1)Bap31についてミトコンドリアに存在するプロヒビチン-2がFLAG-Bap31の免疫沈降によって沈降したので、その結合が特異的であるかどうかを調べたが、結合は非特異的であることが判明した。英国のGrimmらのグループは、ミトコンドリアに存在するFis1がBap31を結合していることを最近報告しており、今後はFis1とBap31の相互作用について解析を進める。2)Rer1についてi)Rer1とBap31の関連Rer1の過剰発現によってBap31が核近傍に集積(他の小胞体タンパク質の分布には大きな変化無し)したことから、Rer1とBap31の循環には関連があることが判明した。現在、Rer1のノックダウンの効果について調べている。ii)ERADのアッセイ系の改善ERADのアッセイに利用しようとしていたCD3δのTet-On発現系は、測定感度に問題があることがわかったので、IRESを持つプラスミドを利用したCD3δ安定発現株の構築を行った。今後この系を用いて、CD3δのERADに対するRer1のノックダウンの効果を調べる。iii)Rer1の局在化シグナルの同定Rer1のC末端領域のLys-181.Arg-182、Tyr-184が、小胞体-ゴルジ体中間区画への局在化に重要であることが判明した。iv)進められなかった計画予定していたγ-セクレターゼ複合体の分解および会合に関するBap31とRer1の関与については実験を進めることができなかった。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)
FEBS Lett.
巻: 584 ページ: 4389-4395
Proteomics
巻: 10 ページ: 3775-3788
http://www.ls.toyaku.ac.jp/Life-Science/lmcb-6/