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2010 年度 実績報告書

自己反応性リンパ球の免疫記憶メカニズムの解明

公募研究

研究領域免疫系自己-形成・識別とその異常
研究課題/領域番号 22021011
研究機関千葉大学

研究代表者

常世田 好司  千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教 (20362402)

研究分担者 中山 俊憲  千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (50237468)
キーワード免疫記憶 / ヘルパーT細胞 / 骨髄 / 二次免疫反応 / 自己免疫 / CD69 / プラズマ細胞 / 抗原提示細胞
研究概要

1.骨髄における記憶ヘルパーT細胞とそれらを再活性化させる抗原提示細胞の動態解析
蛍光色素で標識した抗原をマウスに投与し生体内における抗原を追跡した結果、二次免疫応答特異的に骨髄への抗原集積が観察され、その多くがMHC classII陰性の類胴内皮細胞に付着していることを発見した。また一部の抗原は、MHC classII陽性細胞の細胞表面に付着あるいは細胞内に取り込まれており、それらMHC classII陽性細胞の大部分が成熟B細胞であることを明らかにした(投稿準備中)。二次免疫応答時における記憶ヘルパーT細胞への抗原提示に対して、一次免疫応答時に主として抗原提示を行う樹状細胞が働くのではなく、成熟B細胞が主として働くことが考えられた。
2.骨髄における記憶ヘルパーT細胞と記憶プラズマ細胞との相互作用における解析
既にCD69欠損マウスは他の細胞集団が正常にもかかわらず、骨髄記憶ヘルパーT細胞のみを欠損していることを明らかにしている(投稿中)。この欠損マウスの解析によって、骨髄記憶ヘルパーT細胞はB細胞上の抗体の親和性成熟には影響を与えないが、プラズマ細胞の骨髄への定着を調節していることがわかった。また抗原特異的ヘルパーT細胞は、二次リンパ器官で活性化し長期生存するために骨髄に移動する際、CD69を接着分子として用いることも明らかにしており、現在長期生存に必要なニッシェへ移動するために骨髄内で必要な他の接着分子やケモカインなどを同定し、記憶ヘルパーT細胞の発生段階をさらに明らかにしようとしている。その上で平成23年度には、記憶ヘルパーT細胞がプラズマ細胞の骨髄への定着をどのように調節しているのか明らかにしていくと同時に、自己免疫疾患モデルマウスにおいて自己反応性ヘルパーT細胞や自己抗体産生プラズマ細胞の動態も正常免疫反応時と比較していきたい。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Persistence of effector memory Th1 cells is regulated by Hopx.2010

    • 著者名/発表者名
      Albrecht, I.
    • 雑誌名

      European Journal of Immunology

      巻: 40 ページ: 2993-3006

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Memory T-cell trafficking : new directions for busy commuters.2010

    • 著者名/発表者名
      Marelli-Berg, F.M.
    • 雑誌名

      Immunology

      巻: 130 ページ: 158-165

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Polycomb group gene product Ring 1B regulates Th2-driven airway inflammation through the inhibition of Bim-mediated apoptosis of effector Th2 cells in the lung.2010

    • 著者名/発表者名
      Suzuki, A.
    • 雑誌名

      Journal of Immunology

      巻: 184 ページ: 4510-4520

    • 査読あり
  • [学会発表] Memory CD4 T cells reside and rest in the bone marrow.2010

    • 著者名/発表者名
      常世田好司
    • 学会等名
      第40回日本免疫学会(第5回日本免疫学会研究奨励賞受賞発表)
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2010-12-03
  • [学会発表] Maintenance of memory CD4 T cells in bone marrow.2010

    • 著者名/発表者名
      Shinoda, K.
    • 学会等名
      The 40th German Society for Immunology
    • 発表場所
      Leipzig(Germany)
    • 年月日
      2010-09-23
  • [学会発表] Memory CD4 T lymphocytes reside and rest in the bone marrow.2010

    • 著者名/発表者名
      常世田好司
    • 学会等名
      The 14th International Congress of Immunology
    • 発表場所
      神戸(兵庫)
    • 年月日
      2010-08-25
  • [学会発表] CD69は記憶CD4 T細胞の発生に必須である2010

    • 著者名/発表者名
      篠田健太
    • 学会等名
      第20回Kyoto T Cell Conference
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2010-06-05

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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