全身性自己免疫疾患における制御性B細胞の役割を検討するために、全身性エリテマトーデスのマウスモデルであるNew Zealand black (NZB)マウスおよびNew Zealand white (NZW)マウスのF1マウスを用いて解析を行った。CD19を欠損したNZB/NZW F1マウスでは野生型のNZB/NZW F1マウスに比べて腎炎の症状や抗核抗体(抗2本鎖DNA抗体)の出現が早くなり、かつ重症化し、これは、CD19欠損マウスにおいて制御性B細胞が欠損していると考えられた。さらに、制御性B細胞を野生型マウスから移入すると症状が改善できることを示した。また、NZB/NZW F1マウスにおいて抗CD20抗体を用いてB細胞除療法を行うと、生後4-8週の比較的早期に行った場合には、症状が増悪して生存率が低下し、一方で、生後12-20週で行った場合には症状は改善して生存率も上昇した。このように、B細胞の中で疾患を増悪させるサブセットと抑制するサブセットの双方が存在し、これらは病期により比重が異なると考えられた。 ヒト膠原病患者末梢血における制御性B細胞の解析を行い、全身性強皮症では、制御性B細胞の数が減少していることが見出された。
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