研究領域 | 免疫系自己-形成・識別とその異常 |
研究課題/領域番号 |
22021024
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
疋田 正喜 京都大学, 医学研究科, 教授 (60228715)
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研究分担者 |
藤堂 景史 京都大学, 医学研究科, 研究員 (50452561)
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キーワード | CD79b / 胚中心 / 自己抗体 |
研究概要 |
本年度においては、昨年度に作製したIgβ-Tgマウスにおいて、B細胞の分化異常の有無について最初に検討を加えた。その結果、preB細胞からimmature B細胞への分化段階でごくわずかな細胞数の上昇が認められたが、それ以外について異常は認められず、B細胞は正常に分化していると考えられた。そこで、当該マウスにNP-CGGを免疫して、抗NP抗体価の変動を観察した。その結果、一部のIgGクラスの抗体において産生量が1/2程度に減少していることが明らかとなった。加えて、NPハプテンに対する親和性成熟も同様に低下していることが明らかとなった。一方で、同一抗原の再免疫による二次応答については、レベルは低いものの一定程度惹起されたことから記憶応答の誘導に関わる分子機構については正常に保たれていると考えられる。しかし、一次応答によって誘導される記憶B細胞数は、抗体産生量と同様に減少しており、二次応答のレベルが低下しているのは、このことによると予想される。 これらの結果に基づき、Igβの産生抑制を阻害することによって、B細胞の選択に何らかの異常が生じるのか、もしくは、異常をきたしている場合に、その異常を修正できるのかどうか検討を加えた。すなわち、自己免疫疾患モデルマウスであるBXSB/Yaaマウスに当該トランスジェニックマウスを戻し交配し、得られたマウスにおいて自己抗体を産生するB細胞の生成がどのような影響を受けたか評価した。その結果、血清中の自己抗体のレベルが著しく減弱していることが明らかとなり、すなわち、B細胞の異常な正の選択による自己抗体の産生が抑制されることが強く示唆される結果が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画に沿ってB細胞の分化異常の有無について検証後、Igβの産生量の調節によってB細胞の選択が影響を受けることを明らかにできたと考えられ、おおむね当初の計画どおりに研究を進めることができたと考えられる。
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