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2011 年度 実績報告書

錫122-π中間子原子分光実験

公募研究

研究領域多彩なフレーバーで探る新しいハドロン存在形態の包括的研究
研究課題/領域番号 22105517
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

板橋 健太  独立行政法人理化学研究所, 岩崎先端中間子研究室, 専任研究員 (30322093)

キーワードπ中間子 / カイラル対称性 / 原子核反応 / 精密分光
研究概要

科研費の研究目的と研究計画に記した通り平成22年度10月に取得した錫122同位体を標的として用いたπ中間子原子生成分光実験のデータを解析した。その結果、理研RIBF施設において世界で始めてπ中間子錫121原子生成分光に成功した。さらにデータ解析を進める過程では重陽子+錫→ヘリウム3+X反応における角度依存性を得る事が出来、これも世界で初めての事である。これらの解析結果については国際会議やウェブなどを通して発表し議論してきた。
続いて、さらに詳細なデータ解析を行い、π中間子の原子核に対する束縛エネルギーと巾の導出を行い、理論計算と比較する事により、物質質量の起源と考えられているカイラル凝縮の大きさを原子核密度中で評価するための準備を行った。特にドイツやオーストリアの中間子原子を専門とする研究者との議論を行うことにより、実験結果のより詳細な解釈を行った。
さらに、平成22年度の実験で故障した装置の修理を進め、次期実験に対する準備として、改良を施した実験条件の策定をすすめた。標的物質の購入や検出器の調整を行うと同時に、実験時借用していた回路を購した。
上記の研究の進展は、当初の目標を上回るものである。本科研費補助金は今年度で終了するが、来年度以降も研究はさらなる発展を遂げる。平成22年度の実験結果を得て、次期実験では改良を施した設定で実験する事で世界最高の分解能・精度が達成される見込みである。また、π中間子に限らず他の中間子を用いた研究の可能性も拓く事ができた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2011 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Precision Spectroscopy of Deeply Bound Pionic Atoms and Partial Restoration of Chiral Symmetry in Medium2011

    • 著者名/発表者名
      Natsumi Ikeno, et al
    • 雑誌名

      Prog.Theor.Phys.

      巻: 126 ページ: 483-509

    • DOI

      10.1143/PTP.126.483

    • 査読あり
  • [学会発表] First precision measurement of deeply bound pionic state in 121Sn2011

    • 著者名/発表者名
      T.Nishi
    • 学会等名
      FPUA2011
    • 発表場所
      岡山
    • 年月日
      2011-10-08
  • [学会発表] (d,^3He)反応を用いたπ中間子原子の精密分光(5):重陽子ビームを用いたパイロット実験22011

    • 著者名/発表者名
      西隆博
    • 学会等名
      日本物理学会分科会
    • 発表場所
      弘前
    • 年月日
      2011-09-16
  • [学会発表] Measurement of Pionic ^<121>Sn Atom at RI Beam Factory2011

    • 著者名/発表者名
      K.Itahashi
    • 学会等名
      EXA11
    • 発表場所
      ウィーン(招待講演)
    • 年月日
      2011-09-05
  • [学会発表] Precision spectroscopy of pionic atom at RIKEN-RIBF2011

    • 著者名/発表者名
      S.Itoh
    • 学会等名
      HADRON2011
    • 発表場所
      ミュンヘン
    • 年月日
      2011-06-14
  • [備考]

    • URL

      http://ag.riken.jp/kcpc38/shin-hadron2010.html

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公開日: 2013-06-26  

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