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2010 年度 実績報告書

反応集積化を活用した含窒素ヘテロ環構築反応の開発

公募研究

研究領域反応集積化の合成化学 革新的手法の開拓と有機物質創成への展開
研究課題/領域番号 22106520
研究機関京都大学

研究代表者

三浦 智也  京都大学, 工学研究科, 講師 (10378804)

キーワード反応集積化 / ヘテロ環合成 / パラジウム / ニッケル / イソシアナート
研究概要

窒素ヘテロ環化合物は,医薬品を始めとする,多くの生物活性物質に含まれる重要な化合物群である。そこで我々は,含窒素ヘテロ環化合物の新合成手法の開発を目指し,「同一時間的反応集積化」に焦点をあて,以下の三つの柱からなる研究課題を中心に推進することとした((1)四級不斉炭素をもつα,α-二置換オキシインドールの触媒的合成,(2)多成分連結反応を鍵とするインドールの迅速合成,(3)イソシアナートとアレンとの不斉[2+2+2]付加環化反応)。今年度は研究の都合上(1)と(3)の新規分子変換法を中心に開発した。
我々は既にロジウムやパラジウム触媒存在下,2-(アルキニル)アリールイソシアナートにプロトン性求核剤を作用させると,立体選択的に3-アルキリデンオキシインドールが得られることを見出している。今回,この研究過程で2-(アルキニル)アリールイソシアナートにベンジルアルコールを作用させると,先に述べた3-アルキリデンオキシインドールも生成するが,反応条件を適切に選択することで四級不斉炭素をもつα,α-二置換オキシインドールが得られることを見出した。さらに不斉化を目指し,反応条件の最適化を行ったところ,フェロセン型配位子である(S,S)-f-Binaphaneを用いると38%の鏡像体過剰率で生成物が得られた。
さて,遷移金属触媒を用いる[2+2+2]付加環化反応は高効率な環状骨格構築法であるが,分子間反応では化学及び位置選択性を制御することがしばしば困難であるため,ジインなどを基質として用いる分子内反応が一般的である。今回,我々は不斉ニッケル触媒の存在下でイソシアナートにアレンを作用させると,イソシアナート2分子とアレン1分子との分子間[2+2+2]付加環化反応が進行し,ジヒドロピリミジン-2,4-ジオンがエナンチオ選択的に得られることを見出した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Stereoselective Synthesis of 3-(1-Cyanoalkylidene)oxindoles by Palladium-Catalyzed Cyclization Reaction of 2-(Alkynyl)aryl Isocyanates with Copper (I) Cyanide2010

    • 著者名/発表者名
      Tomoya Miura, Takeharu Toyoshima, Osamu Kozawa, Masahiro Murakami
    • 雑誌名

      Chemistry Letters

      巻: 39 ページ: 1132-1133

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Enantioselective [2+2+2] Cycloaddition Reaction of Isocyanates and Allenes Catalyzed by Nickel2010

    • 著者名/発表者名
      Tomoya Miura, Masao Morimoto, Masahiro Murakami
    • 雑誌名

      Journal of the American Chemical Society

      巻: 132 ページ: 15836-15838

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Synthesis of 3, 3-Disubstituted Oxindoles by Palladium-Catalyzed Tandem Reaction of 2-(Alkynyl)aryl Isocyanates with Benzylic Alcohols2010

    • 著者名/発表者名
      Takeharu Toyoshima, Yusuke Mikano, Tomoya Miura, Masahiro Murakami
    • 雑誌名

      Organic Letters

      巻: 12 ページ: 4584-4587

    • 査読あり
  • [学会発表] ニッケル触媒を用いたイソシアナートと電子不足オレフィンの付加環化反応によるヒダントイン誘導体の合成2011

    • 著者名/発表者名
      三甲野裕介・三浦智也・村上正浩
    • 学会等名
      日本化学会第91春季年会(2011)
    • 発表場所
      神奈川大学横浜キャンパス
    • 年月日
      2011-03-29
  • [学会発表] ニッケル触媒を用いる含窒素ヘテロ環化合物の新しい合成法2010

    • 著者名/発表者名
      三浦智也
    • 学会等名
      第七回有機元素化学セミナー
    • 発表場所
      京都大学宇治キャンパスおうばくプラザきはだホール
    • 年月日
      2010-11-02
  • [備考]

    • URL

      http://www.sbchem.kyoto-u.ac.jp/murakami-lab/

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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