研究概要 |
平成22年度は以下の研究を行った。 1.IODP NanTroSEIZE Expedition 316において既に得られている、南海トラフ分岐断層浅部・前縁衝上断層のコア試料の変形構造解析、およびXRFコアロガーを用いた主要・微量元素組成分析を進めた。 2.四万十帯延岡衝上断層・槇峰層・牟岐メランジュの地質調査および岩石試料採取を行った。延岡衝上断層については変形と流体移動について考察を行った。 3.回転式高速勢断摩擦試験機を用いて、水中高速摩擦実験を行った。実験は温度・垂直応力・変位速度・総変位量を変化させて行った。実験試料は標準物質(花崗岩・班れい岩・大理石)および上記2.で採取した四万十帯の泥質岩を用い、一定の成果が得られた。 4.上記2.で採取した陸上の断層岩・鉱物脈試料の化学分析を行った。断層岩の主要・微量元素組成をXRFおよびICP-MSで測定し、Li,Sr同位体組成についてはMC-ICP-MSおよびTIMSを用いた。鉱物脈中の流体包有物、および実験生成試料およびについては、主成分元素組成はICP-AESで、微量元素組成・同位体組成についてはMC-ICP-MSおよびTIMSで測定した。 5.IODP NanTroSEIZE Expedition 316に構造地質学者として乗船し、沈み込みインプット堆積物および玄武岩のコア記載・変形構造解析を行った。 6.2010年5月/日本地球惑星連合大会、9月/日本地質学会において随時到達状況を報告した。また、上記1.,2.に関してそれぞれ論文を投稿した。
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