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2011 年度 実績報告書

分子フォトニクス制御に基づいた生命現象探索錯体プローブ

公募研究

研究領域配位プログラミング ― 分子超構造体の科学と化学素子の創製
研究課題/領域番号 22108519
研究機関大阪大学

研究代表者

菊地 和也  大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70292951)

キーワード遺伝子発現 / レポーター酵素 / MRIプローブ / Gd^<3+>錯体 / ^<19>F / 常磁性緩和促進効果
研究概要

本研究では、遺伝子発現を可視化するレポーター酵素の活性によって、MR1コントラストが変化する合成プローブの開発を行った。MRIシグナルを変化させることのできるプローブ設計を行なううえで、Gd^<3+>錯体と^<19>F化合物に着目した。Gd^<3+>錯体は、常磁性緩和促進効果により近傍に存在する分子のNMRシグナルを減少させることが知られている。^1Hは生体における主要成分を構成することから^1Hを観測核としたプローブのシグナルを選択的に取得するのは困難であるのに対し、^<19>Fは、生体内にほとんど存在しないために、バックグラウンドシグナルに干渉されるという問題がない。この結果、^<19>Fを導入した化合物からなるプローブは、バックグラウンドシグナルがなく、高いS/N比を有すると考えられる。そこで、Gd^<3+>錯体と^<19>Fを含む化合物をレポーター酵素の基質の構造を介してつないだ分子を設計する。この設計では、^<19>FのMRIシグナルがGd^<3+>錯体の常磁性緩和促進効果により抑制されるが、酵素反応に伴いGd^<3+>錯体と^<19>F化合物が解離し^<19>FのMRIシグナルが回復することを期待した。
設計したプローブは、酵素反応前は、プローブのNMRシグナルを大きく減少させており、酵素との反応とともにNMRシグナルを回復させた。また、酵素反応をMRI測定により観測したところ、プローブと酵素の反応に伴いMRIコントラストの向上が観測された。さらに、このレポーター酵素を細胞膜上で発現させ、プローブを添加しMRI画像を撮像したところ、非発現細胞に比べMRIシグナルの上昇が確認された。以上の結果から、今回開発したプローブは、動物個体の遺伝子発現を可視化する基盤ツールとなると期待される。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] ^<19>F MRI Detection of β-Galactosidase Activity for Imaging of Gene Expression2011

    • 著者名/発表者名
      Shin Mizukami, Hisashi Matsushita, Rika Takikawa, Fuminori Sugihara, Masahiro Shirakawa, Kazuya Kikuchi
    • 雑誌名

      Chem.Sci.

      巻: 2 ページ: 1151-1155

    • DOI

      10.1039/C1SC00071C

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Covalent Protein Labeling with a Lanthanide Complex and its Application to Photoluminescence Lifetime-based Multicolor Bioimaging2011

    • 著者名/発表者名
      Shin Mizukami, Taku Yamamoto, Akimasa Yoshimura, Shuji Watanabe, Kazuya Kikuchi
    • 雑誌名

      Angew.Chem.Int.Ed.

      巻: 50 ページ: 8750-8752

    • DOI

      10.1002/ange.201103775

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Cell Surface Protein Labeling with Luminescent Nanoparticles via Biotinylation Using Mutant ss-Lactamase-tag Technology2011

    • 著者名/発表者名
      Akimasa Yoshimura, Shin Mizukami, Yuichiro Hori, Kazuya Kikuchi
    • 雑誌名

      ChemBioChem

      巻: 12 ページ: 1031-1034

    • DOI

      10.1002/cbic.201100021

    • 査読あり

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公開日: 2013-06-26  

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