平成22年度は、超軽量化を目指した超伝導磁石の設計と磁石用超伝導線の調達を主に行った。 研究年度の前半は、主に超伝導磁石の設計検討に主眼を置いた。超伝導磁石の設計は平成22年10月末に完了し、設計にあたって次の検討を行った。 (1)本磁石が使用される冷凍機(ADR)の先端に取り付けられる超高感度センサーへの漏れ磁場を検討するため、超伝導材を使ったアクティブシールド方式と磁性体を使った磁気シールド方式の2方式を設計し、それぞれの重量や漏れ磁場量の比較 (2)ソルトピルが挿入される超伝導磁石のボアサイズは46mm径とし、中心磁場は最大で3T、平均で2T (3)超伝導磁石の安定性解析と磁石保護の検討 これらの検討から、超伝導磁石の構造を軽量化構造とするためボビンレスを採用した。並行して、超伝導磁石に用いる高温超伝導線の選定を行った。磁石に用いる超伝導線は、現時点でもっとも安定した性能を発揮するNbTi製極細線(線径φ0.1mm)を採用した。 以上の検討結果を基に設計を行った超伝導磁石の製作に使用するコイル巻き線に使用する巻き線機類の整備を行った。超伝導線の購入と巻き線機整備は平成23年度3月に完了した。
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