ρpR二量体およびρpR・ρHtrII複合体など膜蛋白質の変性領域について固体NMR法で解析を行った。H22年度では、その複合体の試料調製で、必要な数mgの安定同位体標識試料を作り、機能のある状態で脂質二重膜へ再構成する。対象の分子量が約10万と大きく、NMR感度が十分でないため、固体NMRの新しい非線形サンプリングなどの手法で分解能・感度を向上させる。構造解析では、NMRプロテオミクス研究や計算機科学の最先端の技術として、データベースに基づくNMRスペクトルシミュレーション法と脂質膜を考慮したレプリカ交換動力学法を組み合わせて利用する。この方法論を確立した。複合体を活性状態に転移させるために、超伝導磁石内のNMR試料に光照射できるよう装置を改造すした。特にρHtrIIの水溶性領域の天然変性構造の変化に注目してNMR測定するために、J結合相関に基づく高速試料回転多次元NMR法や電子スピンとの距離測定法も開発して応用した。
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