• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

天然変性蛋白質に関する情報の統合と解析

公募研究

研究領域天然変性タンパク質の分子認識機構と機能発現
研究課題/領域番号 22113516
研究機関九州工業大学

研究代表者

皿井 明倫  九州工業大学, 大学院・情報工学研究院, 教授 (20221286)

キーワード天然変性蛋白質 / バイオインフォマティクス / 進化
研究概要

本研究では、天然変性蛋白質および蛋白質内の未構造領域にかかわるアミノ酸配列、構造、物性、相互作用、ネットワーク、進化などのデータをバイオインフォマティクスの手法を用いて系統的に調べ、それらの特徴や相互関係、構造蛋白質との違いなどを解析し、天然変性蛋白質の生物機能における役割を明らかにすることを目的としている。今年度は、昨年度に引き続き天然変性蛋白質の解析に必要な情報の収集を継続し一部をデータベース化した。天然変性蛋白質の進化の解析では、未構造領域とその周辺の進化速度や同義置換数と非同義置換数の比率を解析することにより、進化の選択圧と未構造領域との関係を明らかにした。また、蛋白質・蛋白質や蛋白質・核酸などの相互作用や機能に関わる未構造領域について配列、構造、物性に関するさまざまな特徴を計算し、構造領域との比較を行った。さらに、未構造領域における保存部位(モチーフ)の保存度や進化速度を構造領域と比較した。これらの解析の結果、進化的に新しい生物種の未構造領域では一般に進化速度が速くそのまわりの領域にも影響を与えていることがわかった。しかし、未構造領域において機能に重要なモチーフ部位では、構造領域のモチーフ部位より進化速度が遅いあるいは変異しにくいことがわかった。この未構造領域の進化速度の結果は、構造の柔軟性や熱力学特性と相関することが示唆された。現在、未構造領域を持つ蛋白質の情報を蛋白質相互作用ネットワークに統合し、天然変性蛋白質とネットワークの特性との関係をさらに詳しく調べている。そして、これまでの天然変性蛋白質の配列、構造、相互作用やネットワークの解析を統合し、天然変性蛋白質の進化や機能との関係についてさらに解析をすすめている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまでに、未構造領域とその周辺の進化速度の解析、熱力学特性の解析、相互作用や機能に関わる未構造領域内のモチーフ部位の保存度や進化速度の解析、などを行い、新規の知見を得ることができた。これらの成果は論文としてまとめることができた。

今後の研究の推進方策

今後は、未構造領域を持つ蛋白質の情報を蛋白質相互作用ネットワークに統合し、天然変性蛋白質とネットワークの特性との関係を解析するとともに、これまでの天然変性蛋白質の配列、構造、相互作用やネットワークの解析を統合し、プロテオームにおける機能的役割、天然変性蛋白質の予測、蛋白質の機能改変や薬剤の開発、天然変性蛋白質の進化的な理解、などの研究をさらに促進するための基盤を確立したい。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Analysis of Relationship among Evolvability, Thermodynamics and Function of Intrinsically Disordered Proteins/Regions

    • 著者名/発表者名
      H.He, A.Sarai
    • 雑誌名

      Compt.Biol.Chem.

      巻: (掲載確定)

    • 査読あり
  • [学会発表] Analysis of relationship among evolvability, thermodynamic characteristics and function of intrinsically disordered proteins/regions2011

    • 著者名/発表者名
      He Huang, Akinori Sarai
    • 学会等名
      第49回日本生物物理学会年会
    • 発表場所
      姫路
    • 年月日
      20110916-20110918
  • [学会発表] Intrinsically disordered proteins/regions : an important factor in protein evolvability2011

    • 著者名/発表者名
      He Huang, Akinori Sarai
    • 学会等名
      19th ISMB/10th ECCB Annual International Conference
    • 発表場所
      Wien, Austria
    • 年月日
      20110717-20110719
  • [備考]

    • URL

      http://gibk26.bio.kyutech.ac.jp/jouhou/website/index.htm

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi