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2011 年度 実績報告書

イネ葉において高CO2条件下で発現促進されるOsCCT1とOsTPK1の機能解析

公募研究

研究領域植物生態学・分子生理学コンソーシアムによる陸上植物の高CO2応答の包括的解明
研究課題/領域番号 22114511
研究機関神戸大学

研究代表者

深山 浩  神戸大学, 農学研究科, 助教 (60373255)

キーワード光合成 / 遺伝子発現 / 地球温暖化 / 高CO2 / イネ / マイクロアレイ
研究概要

高CO_2条件下で育成したイネ葉において顕著に発現促進されるOsCCT1とOsTPK1について高発現,ノックダウン形質転換イネを作出し生理機能の解析を行った.
これまでの研究で,OsCCT1は株の開帳度に関係することが示唆された.本年度は大気条件と高CO_2条件で育成した場合の第2葉分げつと主稈の間の角度について解析した.いずれのCO_2濃度においても分げつ角度は高発現形質転換イネで増加した.分げつ角度は光強度や生育CO_2濃度と正に相関することが明らかとなり,光合成が促進され,植物体内の糖濃度が高いと分げつの開帳度が増すものと考えられた.また,その他の生育特性に関しては分げつ数が高発現イネで少なく,ノックダウンイネで多くなる傾向が認められた.このような分げつ数への効果は高CO_2で育成した場合も認められた.光合成速度,気孔伝導度は生育CO_2濃度によらず,両方の形質転換イネで僅かに低下する傾向が認められた.高CO_2条件で育成した場合,両方の形質転換イネで乾物重が低下する傾向が認められ,その低下は高発現形質転換イネでより顕著であった.以上の結果,OsCCT1は分げつの角度や数を決める上で重要な働きを担っていること,高CO_2条件での生育や光合成においてOsCCT1の適切な発現が重要であることが示唆された.
OsTPK1の高発現,ノックダウン形質転換イネについても生理解析を行った.OsTPK1の発現量を変化させても光合成速度,生育特性はほとんど影響を受けなかった.しかし,両方の形質転換イネで葉身,葉鞘の乾物重が低下することがわかった.マイクロアレイを行ったところ,高発現,ノックダウン形質転換イネは非常に類似した発現プロファイルを示した.この結果から,高発現はドミナントネガティブになっている可能性が考えられた.両方の形質転換イネにおいて複数のエクスパンシン遺伝子が顕著に発現抑制されていた.高CO_2処理をするとイネは葉身が小さくなることが知られていることから,OsTPK1はそのような葉の形態的な応答に関係している重要な遺伝子ではないかと考えられた.

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件) 備考 (3件)

  • [雑誌論文] Photosynthetic Characteristics of Antisense Transgenic Rice Expressing Reduced Levels of Rubisco Activase2012

    • 著者名/発表者名
      Masumoto C, Fukayama H, et al
    • 雑誌名

      Plant Production Science

      巻: (印刷中)(掲載確定)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Functional Incorporation of Sorghum Small Subunit Increases the Catalytic Turnover Rate of Rubisco in Transgenic Rice2011

    • 著者名/発表者名
      Ishikawa C, Fukayama H, et al
    • 雑誌名

      Plant Physiology

      巻: 156 ページ: 1603-1611

    • DOI

      10.1104/pp.111.177030

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Identification of two plastid-targeted beta-amylase in rice2011

    • 著者名/発表者名
      Hirano T, Fukayama, H, et al
    • 雑誌名

      Plant Production Science

      巻: 14 ページ: 318-324

    • DOI

      doi:10.1626/pps.14.318

    • 査読あり
  • [学会発表] 高CO2条件で発現促進される受容体型キナーゼOsTPK1の機能解析2012

    • 著者名/発表者名
      廣瀬由依, 深山浩, ら
    • 学会等名
      日本作物学会
    • 発表場所
      東京農工大学(東京都)
    • 年月日
      2012-03-29
  • [学会発表] 幼苗期におけるインディカイネの交雑親と倍加半数体系統群の耐塩性比較2012

    • 著者名/発表者名
      西村幸一郎, 深山浩, ら
    • 学会等名
      日本作物学会
    • 発表場所
      東京農工大学(東京都)
    • 年月日
      2012-03-29
  • [学会発表] イネにおいて高CO2条件下で発現促進される新規CCTタンパク質OsCCT1の機能解析2012

    • 著者名/発表者名
      深山浩, ら
    • 学会等名
      日本植物生理学会
    • 発表場所
      京都産業大学(京都府)
    • 年月日
      2012-03-16
  • [備考] 神戸大学研究ニュース

    • URL

      http://www.kobe-u.ac.jp/research/news/H23/ang/pp2011_07_05.htm

  • [備考] 神戸大学インターゲノミクス研究会

    • URL

      http://www.research.kobe-u.ac.jp/ans-intergenomics/

  • [備考] 資源植物生産学ホームページ

    • URL

      http://www.research.kobe-u.ac.jp/ans-sakumotsu/index.html

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公開日: 2013-06-26  

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