研究概要 |
哺乳類において報告された多くの非コードRNAの中で、その明確な機能が分かっているものは少ない。その中でXist5はX染色体不活化に必要な非コードRNAとして以前から報告されている。しかし、発生段階においてXistがどの様にコントロールされているのか不明な点が多く、特に着床前の不活化機構に働く因子は解析の手掛かりが殆どない状況である。我々は着床前の不活化機構に興味を持ち、雄と雌の胚盤胞の間で、small RNAの発現について次世代シーケンサーを用い比べた。材料となる胚盤胞は見た目では雌雄の区別はできない。そこでGFP遺伝子がX染色体の挿入されたトランスジェニックマウスを用い、蛍光の有無で雌雄判別をする工夫をこらした。その結果、雌でのみ発現するsmall RNAとしてFar2,Far3の2つの非コードRNAを発見することに成功した。これまで、着床前の不活化に関する解析手がかりは殆ど無かったが、本研究によりXist以外に雌特異的に発現するsmall RNA Far3,Far3,を発見し不活化機構解明に向けた解析手がかりが得られた。
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