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2010 年度 実績報告書

好中球細胞外トラップに起因する炎症発症機構の解明と制御方法の開発

公募研究

研究領域内因性リガンドによって誘導される「自然炎症」の分子基盤とその破綻
研究課題/領域番号 22117512
研究機関九州大学

研究代表者

錦見 昭彦  九州大学, 生体防御医学研究所, 助教 (70404019)

キーワード好中球 / 感染防御 / 炎症 / 活性酸素
研究概要

好中球は、生体が細菌などに感染した際、感染局所にいち早く集積して感染源を除去する、感染防御の最前線で機能する免疫細胞である。これまで、好中球は、貪食や活性酸素の放出により、細菌等を不活化すると考えられてきたが、最近、これらのほかに、自ら細胞死を引き起こし、自身の核酸と抗菌タンパク質を成分とする、好中球細胞外トラップ(NETs)とよばれる網目状のトラップを形成することにより、効率よく細菌を補足して除去していることが明らかになった。一方で、NETsが本来細胞内にあるべき成分を細胞外に露出させるため、それ自体がリガンドとなって炎症を誘発して、生体を傷害する可能性が取りざたされている。本研究では、NETsの形成と炎症誘導機構を分子レベルで解明するに当たり、遺伝子改変個体の作製が比較的容易なマウスを用いて検討することを計画している。しかしながら、これまでNETs研究によく用いられてきたヒト好中球と異なり、マウス好中球はNETsが惹起されにくいとされてきた。そこで、マウス好中球におけるNETs形成の条件を検討した結果、無血清のイスコフ改変ダルベッコ培地を用いることにより、マウスにおいても効率よくNETsの形成が誘導できることを見いだした。この条件を用いて、活性酸素の産生を介してNETs形成を誘導すると考えられるDOCK2を欠損した好中球を用いて検討したところ、PMAにより誘導されるNETs形成が障害されており、NETs形成がDOCK2を介したシグナル伝達系により誘導されていることを明らかにした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] DOCK180 is a Rac activator that regulates cardiovascular development by acting downstream of CXCR4.2010

    • 著者名/発表者名
      Sanematsu, et al.
    • 雑誌名

      Circulation Research

      巻: 107 ページ: 1102-1105

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Selective of type I INF induction by the Rac activator DOCK2 during TLR-mediated plasmacytoid dendritic cell activation.2010

    • 著者名/発表者名
      Gotoh, et al.
    • 雑誌名

      Journal of Experimental Medicine

      巻: 207 ページ: 721-730

    • 査読あり

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公開日: 2012-07-19  

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