研究概要 |
本研究は,ロボットが人間と対等に知的なインタラクションを行う場合,ロボットが人間を説得する技術の可能性を追及する. 人間同士のコミュニケーションのような知的なヒューマンロボットインタラクションを考えた場合,外界への表現は重要な要素となる.ロボットは,コンピュータディスプレイ上のバーチャルエージェントと比較すると,存在感などの身体性には優れているものの,表情のような人間らしい要素を表現できるものが少ないため,人間とのコミュニケーションにおける壁を作っている.ロボットインタラクションのコミュニケーションにおいて,人間に表現がどのように伝わり,それがどのように影響を与えるのかを充分に検討する必要がある. ロボットによる説得に影響する要素の評価として,(1)表情・言葉・ジェスチャなどの要素の組み合わせによる評価,および,(2)ロボットと二次元のエージェントとの比較実験を実施した. 表情・言葉・ジェスチャなどの要素の組み合わせによる評価では,表情,言葉,ジェスチャなど,人間とのインタラクションに関するどの要素がロボット側からの説得を行う場合に影響してくるのかについて実験を行い,定量的に分析した.ロボット側から人間への説得を行うためのロボットの表現要素,各々の効果を測定し,説得するための要素を解明を行っているところである. ロボットと二次元のエージェントとの比較実験では,ディスプレイ上の二次元のエージェントと比較してロボットが説得する上で,何が異なるかについて比較実験を実施した.実際のロボットを用いて,プロジェクターでキャラクターの表情を投影することにより,実験を行った.ディスプレイ上の二次元のエージェントについては,アニメーションによる顔の描画および音声にて実験を行った.
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