研究領域 | 現代社会の階層化の機構理解と格差の制御:社会科学と健康科学の融合 |
研究課題/領域番号 |
22119507
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
三宅 吉博 福岡大学, 医学部, 准教授 (50330246)
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キーワード | 疫学 / 前向きコホート研究 / 産後うつ病 / 産前うつ病 / 社会経済的要因 / う歯 / アレルギー / 食習慣 |
研究概要 |
「大阪母子保健研究のデータを用いた解析」 1)親の社会経済的要因と子の4歳半時におけるアレルギー疾患リスクとの関連 母親が高卒の子に比較して、母親が大卒以上の子では、ISAACによる喘鳴と医師診断喘息のリスクの高まりと有意な関連を認めた。父親が高卒の子に比較して、父親が大卒以上の子で、ISSACによるアトピー性皮膚炎のリスクが有意に高まった。International Journal of Tuberculosis and Lung Diseaseに受理された。 2)親の社会経済的要因と子の3歳半時におけるう歯リスクとの関連 母親が高卒の子に比較して、母親が大卒以上の子では、う歯のリスクが有意に低下した。父親が高卒の子に比較して、父親が大卒以上の子でも、う歯のリスクが有意に低下した。投稿中である。 3)母親の社会経済的要因と子の食事パターンとの関連 母親が高卒の子に比較して、母親が大卒以上の子では、「菓子・嗜好飲料」の食事パターンではなく、「野菜・果物・高たんぱく質食品」の食事パターンであった。Maternal&Child Nutritionに受理された。 「九州・沖縄母子保健研究のデータを用いた解析」 1)社会経済的要因と妊娠中のCES-Dに基づくうつ症状有症率との関連 フルタイム、パートタイムとも非雇用者に比較して、有意に妊娠中のうつの有症率が低かった。職種では、専門的技術的職業と事務職で有意にうつ有症率が低かった。投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大阪母子保健研究では、産後うつ病だけでなく、アレルギー疾患やう歯と社会経済的要因との解析を行った。九州・沖縄母子保健研究では、産後うつ病の解析前に妊娠中のうつ症状と社会経済的要因との解析を行った。しかしながら、論文受理に至らず、論文受理後に産後うつ病との関連を執筆する計画が遅れる事態となった点が問題である。
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今後の研究の推進方策 |
投稿中の論文を可能な限り、早期に受理となるよう努力する。また、九州・沖縄母子保健研究での社会経済的要因と産後うつ病との関連に関する論文を可能な限り、早期に執筆、投稿する。
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