• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

マカクザル半側空間無視モデルを用いた空間および身体の認知機構の解明

公募研究

研究領域ヘテロ複雑システムによるコミュニケーション理解のための神経機構の解明
研究課題/領域番号 22120519
研究機関生理学研究所

研究代表者

吉田 正俊  生理学研究所, 発達生理学研究系, 助教 (30370133)

キーワード背側視覚経路 / 空間的注意 / 視覚意識 / 急速眼球運動 / 半側空間無視 / 身体認知
研究概要

[目的]半側空間無視とは脳損傷と反対側の空間の感覚刺激(視覚、聴覚、体性感覚)に対する反応が欠如・低下する現象のことを指す。これは感覚障害(同名半盲など)や運動障害(片麻痺など)によっては説明できない認知的障害である。昨今の知見から、半側空間無視は脳の局所的な障害というよりは、頭頂-側頭連合野と前頭連合野とのあいだでの情報伝達の機能不全であると考えられるようになってきた。本研究は半側空間無視の動物モデルを確立することを最大の目標とする。[結果1:術式の確立]マカクザルの頭頂連合野と前頭連合野とを繋ぐ神経線維である上縦束(SLF)を切断することで無視症状を引き起こすことを目指した。この術式の確立のためにこれまでに二つの半球で上縦束を切断の手術を行った。Inferior parietal lobuleおよびintraparietal sulcus(IPS)のventral bankを吸引除去して、その下にある上縦束を含む白質を露出させた。この白質を吸引除去して、側脳室までたどり着くのを目印として損傷を作成した。手術終了後に還流固定を行い、組織切片を作成して損傷部位の同定を行った。その結果、意図した通りに上縦束に相当する部分の白質が切除されていることを確認した。[結果2:行動評価法の確立]ビデオクリップを観察中の実験動物の眼球運動を計測して、視覚的顕著性(saliency)の計算論的モデルを応用することによって、無視症状の行動評価を行う。これまでに第一次視覚野を損傷させたマカクザル盲視モデルでこの方法を応用して、この行動評価法を確立し、有用性を確認した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Lesion of primary visual cortex in monkey impairs the inhibitory but not the facilitatory cueing effect on saccade.2011

    • 著者名/発表者名
      池田琢朗、吉田正俊、伊佐正
    • 雑誌名

      Journal of Cognitive Neuroscience

      巻: 23 ページ: 1160-1169

    • 査読あり
  • [学会発表] Guidance of gaze based on color saliency in monkeys with blindsight2010

    • 著者名/発表者名
      吉田正俊
    • 学会等名
      第14回 意識の科学的研究学会 大会
    • 発表場所
      89 Chestnut(カナダ)
    • 年月日
      2010-06-24
  • [学会発表] Guidance of gaze based on color saliency in monkeys with unilateral lesion of primary visual cortex2010

    • 著者名/発表者名
      吉田正俊
    • 学会等名
      Annual meeting of Vision Science Society
    • 発表場所
      Naples Grande Hotel(米国)
    • 年月日
      2010-05-08
  • [備考]

    • URL

      http://www.nips.ac.jp/%7Emyoshi/

  • [備考]

    • URL

      http://researchmap.jp/masatoshiyoshida/

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi