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2011 年度 実績報告書

行動開始に伴う海馬と大脳皮質のマルチニューロン活動遷移

公募研究

研究領域ヘテロ複雑システムによるコミュニケーション理解のための神経機構の解明
研究課題/領域番号 22120520
研究機関玉川大学

研究代表者

磯村 宜和  玉川大学, 脳科学研究所, 教授 (00415077)

キーワード神経科学 / 脳・神経 / 生理学
研究概要

本研究計画は、行動中の大脳内の遷移状態を理解するために、マルチニューロン記録法を活かして、ラットが自らのタイミングで内発性運動を開始する瞬間に、海馬や大脳皮質ではどのような神経細胞の集団活動の変化がみられるのか、さらには両領域間で表現される情報に何らかの相互作用がみられるのかを生理学的かつ理論的見地から解析することを目指したものである。初年度は、オペラント学習により効率よく内発性および外発性運動課題を繰り返す行動実験系を確立した。当年度は、このような内発性および外発性運動を遂行するラットを対象にして、一次および二次運動野(一部は海馬)に2シャンク4テトロード配列型の16chシリコンプローブを挿入するマルチニューロン記録実験を実施した。その結果、両運動野ともに、運動を発現中にRegular spiking(RS)細胞やfast-spiking(FS)細胞は運動の保持や実行に関与する活動がみられ、それらの間で同期的発火がみられることを観察した。この同期的発火を示す細胞群には「ハブ」の存在が認められた。さらに、傍細胞記録によるナノ刺激法も援用して、この同期的発火の特性を詳細に解析した。ラットの一次運動野と二次運動野の機能は基本的に類似しており、機能的分化が著しい霊長類の運動諸領域とは対照的であった。また、マルチニューロン記録の解析のために、理論系研究者の酒井裕博士と緊密な共同研究体制を築いており、スパイク・ソーティングやその後の各種解析を円滑に実施できる環境を整え終えた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Spike sorting of heterogeneous neuron types by multimodality-weighted PCA and explicit robust variational Bayes2012

    • 著者名/発表者名
      Takekawa T, et al
    • 雑誌名

      Front.Neuroinform.

      巻: 6 ページ: 5

    • DOI

      10.3389/fninf.2012.00005

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Power-law inter-spike interval distributions infer a conditional maximization of entropy in cortical neurons2012

    • 著者名/発表者名
      Tsubo Y, et al
    • 雑誌名

      PLoS Comput.Biol.

      巻: 8 ページ: e1002461

    • DOI

      10.1371/journal.pcbi.1002461

    • 査読あり
  • [学会発表] 傍細胞記録法:行動課題を遂行するラットへの応用2012

    • 著者名/発表者名
      礒村宜和
    • 学会等名
      第11回生理学若手ウィンタースクール
    • 発表場所
      東京医科歯科大学(東京都)(招待講演)
    • 年月日
      2012-02-12
  • [学会発表] Microcircuitry mechanism of voluntary movements2012

    • 著者名/発表者名
      Yoshikazu Isomura
    • 学会等名
      Japan-France Joint Symposium on Neural Dynamics and Plasticity
    • 発表場所
      京都大学(京都府)(招待講演)
    • 年月日
      2012-01-12
  • [産業財産権] 動物実験装置2011

    • 発明者名
      礒村宜和
    • 権利者名
      玉川学園
    • 産業財産権番号
      特許、特願2011-139810
    • 出願年月日
      2011-06-23

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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