• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

時系列信号によるコミュニケーションを司る神経情報表現の解明

公募研究

研究領域ヘテロ複雑システムによるコミュニケーション理解のための神経機構の解明
研究課題/領域番号 22120521
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

西川 淳  独立行政法人理化学研究所, 生物言語研究チーム, 基礎科学特別研究員 (20392061)

キーワードカントールコーディング / 多点同時記録 / 局所回路 / 時系列処理 / 神経情報表現 / 隠れマルコフモデル / コミュニケーション / 状態遷移
研究概要

複雑な時系列信号によるコミュニケーションを司る神経メカニズムを解明するため、複雑な囀りを生成・学習できるジュウシマツのHVCという神経核に注目し、微小領域に記録点を多数集めることのできる高密度シリコン電極を用いて、当該神経核内から多数のニューロン活動を同時に記録し、神経核内の情報の流れやその情報表現を可視化する解析を行った。
まず、HVC内のニューロン集団における相互作用の時間ダイナミクスを可視化するため、時間方向の状態遷移過程の抽出を行うための新しい手法を独自に開発した。具体的には、相関を考慮したポアソンスパイクモデルを考え、そのパラメータがマルコフ的に状態変化していくと仮定する。これを隠れマルコフモデルとして定式化し、確定的アニーリングを応用した変分ベイズ法を用いてメタパラメータの推定を行う。これを上記データに適用したところ、歌刺激の系列に応じた時間方向の状態遷移ダイナミクスの抽出に成功した。
さらに、歌に含まれる音要素系列の神経情報表現を深い階層まで明らかにするために、音要素のランダム切り換え刺激を呈示した際の聴覚応答を記録した。各音要素系列ごとに各ニューロンの平均発火率の時間変化を調べたところ、それぞれのニューロン活動には、少なくとも3つ前までの状態依存性が見出された。これは、時系列情報の動的コーディングであるカントールコーディングの必要条件の一つを満たしているということであり、in vivoによるカントールコーディングの実験的検証へと繋がる重要な知見と言える。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Extracting state transition dynamics from multiple spike trains using hidden Markov models with correlated Poisson distribution.2010

    • 著者名/発表者名
      Kentaro Katahira, Jun Nishikawa, Kazuo Okanoya, Masato Okada
    • 雑誌名

      Neural Computation

      巻: 22 ページ: 2369-2389

    • 査読あり
  • [学会発表] 鳥類歌中枢HVCにおけるカントールコーディングのin vivoによる実験的検証2010

    • 著者名/発表者名
      西川淳, 岡ノ谷一夫
    • 学会等名
      包括脳ネットワーク 夏のワークショップ
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      20100727-20100730
  • [備考]

    • URL

      http://www013.upp.so-net.ne.jp/nisikawa/

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi