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2010 年度 実績報告書

転写を制御する核内糖修飾シグナルの試験管内解析

公募研究

研究領域過渡的複合体が関わる生命現象の統合的理解-生理的準安定状態を捉える新技術-
研究課題/領域番号 22121502
研究機関東京大学

研究代表者

藤木 亮次  東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教 (40534516)

キーワード転写制御 / クロマチン / 糖修飾
研究概要

本研究では、生化学的な精製手法およびリコンビナントタンパク質を用いた試験管内反応系を駆使し、核内糖(O-GlcNAc)修飾シグナルの作用点を明らかにすることを目的としている。まず、新しい「核内糖タンパク質」を探索するため、抗O-GlcNAc化セリン/トレオニン認識抗体(RL2)を用いたアフィニティー精製をおこなった。細胞からクロマチン結合タンパク質を抽出し、これを小麦胚芽レクチンによって粗精製した。さらにRL2抗体によってO-GlcNAc化タンパク質のみを網羅的に取得した。これらを液体クロマトグラフィー-質量分析計によって解析した結果、全284因子の同定に成功した。これらの中から、今までに知られていなかったヒストンタンパク質のO-GlcNAc修飾に着目した。さらに、リコンビナント糖転移酵素(OGT)を使ったin vitro GlcNAc修飾系を活用し、ヒストンH2Bタンパク質上のO-GlcNAc化部位を電子伝達解離(ETD)質量分析計で同定することに成功した。既に、これを認識する特異的抗体を作出済みであり、さまざまなアプリケーションに応用を試みている。中でも、ヒストンタンパク質の新たな翻訳後修飾という性質上、これがゲノム上のどのような遺伝子上に存在しているのかが最大の疑問となるが、これはクロマチン免疫沈降-シーケンシング(ChIP-seq)法によって解決することができる。現在、パイロット実験を数回試行し、いくつかの標的遺伝子群をみつけているところである。さらに、マイクロアレイの結果とハイブリッドさせることにより、この修飾が転写反応と密接な関係にあると考えている。今後、われわれの見出したこの新しいヒストンH2B O-GlcNAc修飾の分子レベルでの作用機序について主に試験管内で解析を進めることにより、どのように遺伝子発現と関係しているのかを解明していきたい。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Nuclear receptor coregulators merge transcriptional coregulation with epigenetic regulation.2011

    • 著者名/発表者名
      Kato S, Yokoyama A, Fujiki R.
    • 雑誌名

      Trends Biochem.Sci.

      巻: (In press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Glucose-induced expression of MIP-1 genes requires O-GlcNAc transferase in monocytes2010

    • 著者名/発表者名
      Chikanishi T, Fujiki R, Hashiba W, Sekine H, Yokoyama A, Kato S.
    • 雑誌名

      Biochem.Biophys.Res.Commun.

      巻: 394 ページ: 865-870

    • 査読あり
  • [学会発表] 核内O-GlcNAc修飾を介するエピゲノム制御機構の新たな作用点の探索2010

    • 著者名/発表者名
      藤木亮次
    • 学会等名
      第33回日本分子生物学会年会、第83回日本生化学会大会合同大会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド
    • 年月日
      2010-12-09
  • [産業財産権] ヒストンタンパク質のグリコシル化を検出するための方法、ならびに当該方法に用いられる抗体2010

    • 発明者名
      藤木亮次, 加藤茂明
    • 権利者名
      東京大学
    • 産業財産権番号
      特願2010-229477
    • 出願年月日
      2010-10-12

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公開日: 2012-07-19  

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