【Rho-kinaseのスプリットPHドメインの構造解析】 低分子量G蛋白質Rhoの標的であるRhoキナーゼのC末端には、PHドメインのシーケンスの途中にC1ドメインが融合した領域が存在し、近年スプリットPHドメインと呼ばれている。我々はPROXYLを用いてスピンラベルを行い、その常磁性緩和効果をNMRを用いて観測して、距離情報を取得した。この情報をもとにスプリットPHドメインの立体構造を解析した。この際、スピンラベルは5カ所に導入した。またPREによる距離制限を満たすためにスピンラベルが持つ自由度を構造計算に反映させる必要があり、スピンラベルに関しては5つの異なるコンフォメーションを仮定し構造計算を行った。構造解析の結果、膜との相互作用に適していると推測されるサブドメイン配置を有していることを明らかにした。 【SHARP/SMRT複合体の構造解析】 SHARP(SMRT/HDAC-associated repressor protein)は転写共役抑制化因子であり、そのSPOCドメインにおいて転写共役抑制化因子SMRT/NcoRと相互作用する。SPOCドメイン/リン酸化SMRT複合体の立体構造の精密化を終了した。構造解析によって明らかになったSPOCドメインのリン酸化SMRTの分子認識に基づいて、SPOCドメインでSMRTの分子認識に重要と思われる残基の変異体を作成し、13個の変異体に関してSPRを用いてその相互作用への影響を確認した。
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