公募研究
本研究では、分子線エピタキシー法により二層ルテニウム酸化物Sr3Ru2O7を基盤とした高品質薄膜・人工超格子を作製することで、ネマティック相の解明及び制御を目指している。本年度は、高品質なSr3Ru2O7単結晶薄膜の作製に成功し、さらに基板からのエピタキシャル歪みによって、磁場中の量子臨界点近傍で現れるネマティック秩序が不安定化し無磁場で強磁性秩序が安定化する振る舞いが現れることが明らかになった。これはバルク結晶で印加可能な大きさの圧縮歪みを大きく超える歪みをかけることができたためと理解される。
1: 当初の計画以上に進展している
分子線エピタキシー法による高品質なSr3Ru2O7単結晶薄膜の作製に成功し、かつ同時にエピタキシャル歪みによる効果も観測できたことで、当初の計画よりも前倒しで研究が進展している。
分子線エピタキシー法による高品質なSr3Ru2O7単結晶薄膜の作製に成功したことで、他の酸化物基板上における成膜を同様に試み、エピタキシャル歪みの効果を系統的に明らかにする。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 3件、 招待講演 2件)
Physical Review B
巻: 107 ページ: 054423-1-6
10.1103/PhysRevB.107.054423
Physical Review Materials
巻: 6 ページ: 084802-1-6
10.1103/PhysRevMaterials.6.084802