公募研究
研究代表者らはこれまでに、酸素の電気化学反応を促進させるための電気化学触媒の研究開発に精力的に取り組み、構造内に欠陥や空間を有する物質群の一部が、酸素の電気化学反応に対して高い活性を有することを明らかにしてきた。昨年度までの成果により、酸素欠損が反応中心となり触媒活性を向上させる効果と構造を不安定化させる効果の両方が存在するため、触媒の高活性と高安定性を両立させる適切な酸素欠損量が存在することが明らかとなった。本年度は、以上の効果が多くの物質群において成り立つことを示すとともに、その発展研究として、新しいサーモクロミック材料を開発や、金属空気電池やリチウムイオン電池用固体電解質への応用を試みた。その中で、リチウムイオン電池用固体電解質として知られているGaドープLi7La3Zr2O12(LLZO)の電子伝導度とペレット冷間プレス圧が、臨界電流密度(CCD: critical current density)値およびリチウム金属に対する化学的安定性にそれぞれ大きく影響することが明らかになった。一般的に、同じ結晶構造・組成の固体電解質のリチウムイオン伝導率の向上には、欠陥が少なく結晶粒径の大きな固体電解質ペレットの合成が求められているが、同時に電子伝導率も上昇するため、金属リチウムの析出が促進される場合があることを明らかにした。また、LLZO固体電解質の焼結時間や焼結温度の増大により、リチウムイオン濃度が減少し、リチウムイオン伝導率が下がる可能性があることも示した。以上のように、本研究により、ミクロまたはマクロな欠陥が電気化学反応に対する活性や物質安定性に与える影響を様々な事例に適用して調査し、物質の特性や安定性を考える上で不可欠な要素であることを明示した。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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EcoEnergy
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