一般的マクロオートファジーは、細胞質の変性タンパク質や傷害オルガネラなどを、膜で包み込んで分解する機構であり、Atg5やAtg7などの分子を用い、小胞体膜を主な起源とする。一方、GOMEDは、同じように膜で包み込んで細胞内成分を分解する機構であるが、Atg5/Atg7に依存せず、ゴルジ体膜を起源とする。このため、第2のマクロオートファジーとも称すべき機構である。しかしながら、オートファジーとGOMEDは、分解する基質タンパク質が大きく異なっており、異なる細胞機能である。 本年は、GOMED関連分子として、Wipi3と結合する分子を探索した。その結果、新たなGOMED実行分子としてゴルジ体局在分子2種類を同定した。また、このうち1種類はBARドメインを有するタンパク質で、生体膜の曲率を変える機能を有する分子であった。 また、GOMEDの定量法としてこれまでに、リソソームの肥大化、GFP-RFP tandemタンパク質の赤色蛍光の定量、電子顕微鏡解析などの方法を用いてきた。より正確に定量解析を行うために新たなGOMED解析法としてDAL/DAP法を開発した。すなわち、1、DAPGreenはGOMEDの最初期から全ての構造を緑色蛍光で標識すること、2、DAPRedは中期のステージ以降の構造を赤色蛍光で標識すること、3、DALGreenは後期の構造のみを緑色蛍光で標識することを応用して、GOMEDの進行度をダナミックに計測できる系を確立した。 さらに、昨年度より皮膚特異的GOMED欠損マウス、神経特異的GOMED欠損マウスの表現系を解析した他、病理所見等も解析し、GOMEDの整体での重要性を確認した。
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