• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実績報告書

DNAメチル化ダイナミクス解析による生殖過程のDNAメチル化消去・維持機構の解明

公募研究

研究領域多様かつ堅牢な細胞形質を支える非ゲノム情報複製機構
研究課題/領域番号 22H04693
研究機関岡山大学

研究代表者

池田 陽子  岡山大学, 資源植物科学研究所, 准教授 (80467688)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2024-03-31
キーワードエピジェネティクス / DNAメチル化 / 植物
研究実績の概要

エピゲノムに代表される‘非ゲノム情報'は、均質なゲノムを持つ細胞に遺伝子発現の違いをもたらす、細胞の運命決定の鍵であると考えられている。DNAメチル化は'非ゲノム情報'のうち唯一世代を超えて安定的に伝わることが証明されている修飾であり、クロマチンとの相互作用を介して遺伝子の発現制御に関わることが知られている。DNAメチル化の次世代への伝達機構については、動物の生殖過程でいったん消去され再度書き込まれるのに対し、植物の卵及び精細胞を介した胚系列では能動的な消去/再構成が観察されていない。そのため植物ではDNAメチル化の変化が次の世代に伝わりうるとされている。
我々は、植物特有のDNAメチル化維持機構がどのように進化してきたかを明らかにするため、進化上、陸上植物の基部に位置するゼニゴケを用い解析を進めた。これまでに、我々の解析により、ゼニゴケにおけるDNAメチル化制御機構は被子植物と共通した特徴だけでなく、異なる制御の特徴を持つことを示唆する結果が得られている。本研究では生殖細胞及び胞子発生過程におけるDNAメチル化のダイナミクスを細胞レベルで明らかにするとともに、その制御の実体を明らかにすることを目指した。
ゼニゴケには動物に保存されているDNAメチル化酵素や、植物型DNA脱メチル化酵素が保存されている。本年度は、これらの酵素の変異体を用いて、生殖を介して得られた次世代の個体における表現型解析を行うことにより、ゼニゴケの世代を超えたDNAメチル化制御について解析を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

前年度までに行う予定であった本研究に深く関わる実験が、新型コロナウイルスの影響で実施が遅れ、本年度に行うこととなったため、前年度計画した本年度の研究内容の進捗に影響を与えた。

今後の研究の推進方策

これまでに、ゼニゴケの生活環の中でDNAメチル化がゲノムワイドに変化することが報告されているが、その詳細や機構については不明な点が多く残されている。この機構を明らかにするため、DNAメチル化変異体を用いた解析を継続し、これまでに次世代シーケンス解析により得た、メチロームなどのデータ解析をさらに進めるとともに、DNAメチル化とクロマチンダイナミクスの関係について明らかにしていく。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [国際共同研究] クレルモン・オーベルニュ大学(フランス)

    • 国名
      フランス
    • 外国機関名
      クレルモン・オーベルニュ大学
  • [雑誌論文] Epigenetic regulation of ecotype-specific expression of the heat-activated transposon ONSEN2022

    • 著者名/発表者名
      Nozawa Kosuke、Masuda Seiji、Saze Hidetoshi、Ikeda Yoko、Suzuki Takamasa、Takagi Hiroki、Tanaka Keisuke、Ohama Naohiko、Niu Xiaoying、Kato Atsushi、Ito Hidetaka
    • 雑誌名

      Frontiers in Plant Science

      巻: 13 ページ: -

    • DOI

      10.3389/fpls.2022.899105

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] ゼニゴケにおける植物型DNA脱メチル化酵素の機能解析2022

    • 著者名/発表者名
      中村光希, 十川太輔, 西浜竜一, 山岡尚平, 荒木崇, 河内孝之, 大和 勝幸, 平山隆志, 池田陽子
    • 学会等名
      第15回日本エピジェネティクス研究会年会
  • [学会発表] ゼニゴケMpROS1a, MpROS1xによるDNA脱メチル化制御2022

    • 著者名/発表者名
      池田陽子, 中村光希, 十川太輔, 西浜竜一, 山岡尚平, 荒木崇, 河内孝之, 大和 勝幸
    • 学会等名
      日本植物学会第86回大会
  • [学会発表] 植物におけるDNAメチル化制御システムの変化: 苔類ゼニゴケを例に2022

    • 著者名/発表者名
      池田陽子, 中村光希, 十川太輔, 西浜竜一, 山岡尚平, 荒木崇, 河内孝之, Mathieu Olivier, 大和 勝幸
    • 学会等名
      第45回日本分子生物学会年会ワークショップ
    • 招待講演
  • [学会発表] Regulatory system of DNA methylation in Marchantia: a demethylation mechanism distinct from that of flowering plants2022

    • 著者名/発表者名
      Ikeda, Y., Nakamura, K., Togawa, T., Nishihama, R., Yamaoka, S., Araki, T., Kohchi, T., Mathieu, O., Yamato, KT.
    • 学会等名
      CSHA meeting on Integrative Epigenetics in Plants
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi