公募研究
今年度は,CTで撮影されたキクタニギクやツバキの花や,アリ植物のデータに対して画像処理を行い,形質データを獲得したり,得られたデータを元に器官の周期性を求めた.また,イチリンソウとその近縁種に関して,新たな花弁の配置推定手法を提案した.まず,キクタニギクでは,花床と小花の接点を検出し,結果を3次元的に統合した.そして,花床上の3次元の接点の位置の周期性を解析した.接点検出では,CT データから縦断面のスライス画像を作成し,画像から花床のセグメンテーションと花床,小花の接点の検出を適用し,3次元的に統合することで,3次元空間上での接点の位置を推定した.この結果をもとに,接点同士の距離を計測して,花床と小花の生育時の周期の変調の解析を行っている.ツバキの花のCT画像に対して,新たに花弁のセグメンテーション手法を提案した.ツバキの花の横断面の画像の花弁の様子は,現在の画像セグメンテーション手法の多くの対象物体とは形状の特徴が異なっており,画像にセグメンテーション手法をそのまま適用すると,精度が低下する.そこで,本研究では,画像を細く切り出した画像に対してセグメンテーション手法を適用することで,精度を向上させた.実験の結果,従来手法をそのまま適用するよりも高精度にセグメンテーションが可能となり,3次元統合により,個々の花弁を識別した状態で,3次元形状を復元できた.アリ植物のデータでは,横断面画像に対して空洞部分の検出を行い,検出結果を統合して空洞の3次元形状を推定できた.空洞部分の検出では,閾値処理やモルフォロジー変換,凸包検出を用いた.イチリンソウとその近縁種の花弁の配置推定では,画像を入力とし,出力を花弁の配置とするend-to-end での推定手法を新たに提案した.学習には,花弁の順序推定が既知である合成画像を用いた.実験の結果,合成画像に対して順序推定が一部可能となった.
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)
Frontiers in Plant Science
巻: 15 ページ: 1-14
10.3389/fpls.2024.1334362
情報処理
巻: 65 ページ: 172-175