研究領域 | 高速分子動画法によるタンパク質非平衡状態構造解析と分子制御への応用 |
研究課題/領域番号 |
22H04754
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
菅 倫寛 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 教授 (60634920)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 光合成 / ダイナミクス / 膜タンパク質 / 高速分子動画 / X線自由レーザー |
研究実績の概要 |
光合成細菌の光合成反応中心(RC)は集光アンテナ複合体I(LH1)と超複合体をとっており、光エネルギーを高い効率で吸収して、電子伝達鎖を駆動し酸素非発生型の光合成の初発の反応を開始する。本研究ではLH1-RC超複合体を対象としX線自由電子レーザーを用いて時間分解シリアルフェムト秒結晶構造解析して励起後の構造解析を明らかにすることを目指し、新学術領域の前半にはLH1-RC超複合体の微小結晶を作成することができるようになった。今年度と来年度で結晶の品質を改善してデータ収集と解析を行うことを目指している。 時間分解シリアルフェムト秒結晶構造解析に必要なLH1-RC超複合体の微小結晶を大量に調製することができるようになったため、これらの結晶を用いて室温でのシリアルフェムト秒構造解析を実施した。限られた実験時間の中で、5データセットを収集した。いずれも構造解析可能なデータではあったが、結晶の品質が室温では不安定なため、低分解能のデータしか収集できなかった。解析の結果、電子密度マップにてキノンやクロロフィルなどのリガンドを確認することができた。 結晶の品質改善のためには溶液条件の探索が必須であるので、凍結の条件の探索を進めた。その結果、放射光にて回折分解能を調べたところ、2.5Aを超える分解能で回折する条件を見出した。次年度は凍結サンプルを用いて、固定ターゲット法による構造解析を行うことを予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
凍結条件での結晶の品質改善に成功した。しかし、室温で結晶の品質を安定に保つことができていないので引き続き条件検討を継続する必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
凍結条件での結晶の品質改善に成功した。しかし、室温で結晶の品質を安定に保つことができていないので引き続き条件検討を継続する必要がある。 また、凍結サンプルを用いて、固定ターゲット法による構造解析を行うことを予定している。
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