研究領域 | 高速分子動画法によるタンパク質非平衡状態構造解析と分子制御への応用 |
研究課題/領域番号 |
22H04757
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
村川 武志 大阪医科薬科大学, 医学部, 助教 (90445990)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | シリアルフェムト秒結晶構造解析 / トパキノン |
研究実績の概要 |
本研究では土壌細菌由来の銅含有アミン酸化酵素(AGAO)について,微結晶溶液と基質溶液の二液混合時分割シリアルフェムト秒結晶構造解析(SFX)を行い,反応時間軸に沿った様々な構造情報を得る.得られた知見により,これまで未解明であった,本酵素の触媒過程の各段階における活性部位環境の最適化,およびそれに基づく反応促進機構の詳細を明らかにすることを目指す. 本年度は,前年度までに確立した測定条件に沿って,嫌気条件下における二液混合時分割SFXを実施した.試料であるAGAOは,大腸菌を宿主として発現し精製し,微結晶は,ミクロシーディング法とバッチ法を組み合わせることにより得た.リキットジェット法を用いた微結晶液と基質溶液の二液混合SFX測定はSACLA BL2にて実施した. SFX測定について,本年度までに,基質との混合後0から1秒までの計8セットのデータを取得した.得られたデータについてはプログラムCrystfelを用いて指数付けおよび積分を行った.各測定条件とも50000 - 70000枚程度のイメージファイルに対しindexを付けることに成功した.上記の積分したデータを用いて,これまでに放射光X線を用いて決定した構造(3WA2)を用いて分子置換及び精密化を行い,補酵素TPQ及び,生成物であるフェニルアセトアルデヒドについてオミットマップを描き,反応中間体の同定を行ったところ,反応時間軸に沿った様々な構造変化を確認することができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は,前年度までに確立した試料(微結晶)調製条件と測定条件に従い,微結晶溶液と基質溶液の二液混合時分割SFX測定を実施した.反応時間に沿って複数個の構造決定に成功し,結晶内で構造が大きく変化することが明確に確認できている.
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今後の研究の推進方策 |
令和四年度までに反応過程のおおよその構造変化を解析できたので,令和五年度ではさらに踏み込んだ測定を行う.具体的にはpHや基質を変えるなどして,これまで明らかにされていない,触媒反応の初期過程の解析を行うことなどを検討している.
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