公募研究
反時計方向の運動を引き起こすショウジョウバエのミオシンID(DmID)およびシャジクモのミオシンXI(CcXIおよびCbXI-4)が、Fアクチン集合体であるアクチン・キラルリングの生成機構は、以下の1、2の2つの分子機構に要素還元できる。1. DmIDおよびCcXI、CbXI-4がFアクチンを一方向性に湾曲運動させる分子機構2. 一方向性に湾曲運動したFアクチンがアクチン・キラルリングを形成する分子機構これら2つの機構についての分子機構解明を行った。1については、Upper 50kサブドメインおよびLower 50kサブドメインにあるアクチン結合領域の構造が重要であることがわかった。DmIDおよびCcXIのアクチン結合領域にあるCMループとHTH構造は、Fアクチンを繊維軸に沿って運動させる通常のミオシンと比べ、アクチンとの結合が弱いアミノ酸配列で構成されていることが明らかになった。ミオシンのアクチンとの結合箇所はUpper 50kのCMループ、ループ4、ループ2およびLower 50kサブドメインのHTHおよびループ3であるが、CMループとHTHは一方向性に湾曲運動させるため、Fアクチンの繊維軸に対して左側に偏っている。この結合の強さの非対称性がFアクチンを非対称に湾曲させることがわかった。2については、アクチン・キラルリングの形成に必要な条件および形成過程を詳細に明らかにした。必要条件としてはアクチン濃度が0.1mg/mlから0.3mg/mlが最適であった。この濃度で、一方向性に湾曲運動するFアクチンが集団運動することにより、アクチン・キラルリングが形成されることがわかった。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Scientific reports
巻: 13 ページ: 19908-19908
10.1038/s41598-023-47125-5
生化学
巻: 3 ページ: 374-378
10.14952/SEIKAGAKU.2023.950374