研究実績の概要 |
前年度までに分与を受けたモデル圃場土壌からのパンドラウイルス単離に特化したスクリーニングでは、これまでのところの新規性を持つ微生物・ウイルスの単離には至っていない。
前年度までのスクリーニングにおいて単離した放線菌門アシディミクロビウム綱に属する新属以上の新規性を期待される細菌2株について、前年度までに1株のゲノム解析を完了しており、残る1株のゲノム解析について本年度完了した。ANI(Avereage Nucleotide idientity)解析で相互間のスコアは90.8%, 原核生物refseqゲノム中最も高いスコアを示す細菌との間は81.4%であり、このことは当該菌株が新属以上の新規性を有していること、2株は同属異種であることと矛盾しない。今後、新種の細菌として記載を目指し必要な解析を領域内共同研究として進めていきたい。
前年度までのスクリーニングにおいて単離したパンドラウイルスと予想される巨大ウイルス1株について、ゲノム解析を行った。ロングリード解析に十分な長鎖ゲノムDNAの単離法について検討を行う必要があったものの、ONT MinIONおよびIllumina MiSeqでロング・ショートリードを得て、ゲノムをアセンブルした。得られたゲノムは、これまでに完全ゲノムが報告されているパンドラウイルスのうち1種に対して、ANI 99.1%と高いスコアを示しており、同一種と考えられる。今後、新たなパンドラウイルスの単離に向けて、スクリーニングを展開していきたい。
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