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2023 年度 実績報告書

目立たない分子から探るポストコッホ型異種微生物間相互作用

公募研究

研究領域超地球生命体を解き明かすポストコッホ機能生態学
研究課題/領域番号 22H04888
研究機関大阪公立大学

研究代表者

甲斐 建次  大阪公立大学, 大学院農学研究科, 准教授 (40508404)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2024-03-31
キーワード異種微生物間相互作用 / ポストコッホ分子 / 細菌-真菌間相互作用 / 菌糸異常分岐
研究実績の概要

培地上でTer331株とA. nigerを共培養させ,A. niger菌糸の様子を顕微鏡で観察した。観察した現象に,collimonin類と他の二次代謝産物が関与するのかどうかを検証するため,collimonin欠損株とQS欠損株を使った。funI欠損株株は,pK18mobsacBベクターを用いた遺伝子欠損により作製した。野生株と同じように,これらの欠損株とA. nigerの共培養を行い,A. niger菌糸を観察した。QS制御下にある二次代謝産物が抗真菌性に重要であることが示唆されたことから,Ter331株とfunI欠損株の二次代謝プロファイルを比較して抗真菌性化合物の候補を探索した。A. niger黄色色素の生合成遺伝子候補を見出し,CRISPR-Cas9法でその破壊株を作製した。そして,破壊株における色素産生能を評価した。
A. nigerとTer331株を対峙培養すると,A. nigerの生育はコントロールより阻害され,菌糸先端では激しい分岐が確認された。colA欠損株と対峙した場合,Ter331株のときに見られたA. nigerの生育阻害は一部緩和し,A. nigerの菌糸分岐は観察されなくなった。さらに,funI欠損株はA. nigerに対し,生育阻害と菌糸分岐のいずれの作用も示さなかった。よって,A. nigerの菌糸分岐にはcollimonin類が,生育阻害にはcollimonin類とQS制御下にある未知同定の二次代謝産物が関与する可能性が示唆された。Ter331株とfunI欠損株の二次代謝プロファイルを比較すると,未知リポペプチドのピークが欠損株で消失していた。したがって,これらの化合物が抗真菌性に寄与していると考えられた。A. niger色素の生合成酵素と予想された遺伝子を破壊すると,色素誘導条件下で培養してもコロニーの黄色化は起こらず,LC/MS分析でも該当化合物は検出されなかった。

現在までの達成度 (段落)

令和5年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和5年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 3件)

  • [雑誌論文] Quorum Sensing-Dependent Invasion of Ralstonia solanacearum into Fusarium oxysporum Chlamydospores2024

    • 著者名/発表者名
      Chiaki Tsumori, Shoma Matsuo, Yuta Murai, Kenji Kai
    • 雑誌名

      Microbiology Spectrum

      巻: 11 ページ: 1-18

    • DOI

      10.1128/spectrum.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Disproof of the Structures and Biosynthesis of Ergoynes, Gs-Polyyne-L-Ergothioneine Cycloadducts from Gynuella sunshinyii YC62582024

    • 著者名/発表者名
      Daiki Kawahara, Kenji Kai
    • 雑誌名

      The Journal of Organic Chemistry

      巻: 89 ページ: 5715-5725

    • DOI

      10.1021/acs.joc.4c00243

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The phc Quorum-Sensing System in Ralstonia solanacearum Species Complex2023

    • 著者名/発表者名
      Kenji Kai
    • 雑誌名

      Annual Review of Microbiology

      巻: 77 ページ: 213-231

    • DOI

      10.1146/annurev-micro-032521-030537

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 真菌への寄生を確立する青枯病菌の化学コミュニケーション2024

    • 著者名/発表者名
      甲斐建次
    • 学会等名
      日本農芸化学会2024年度大会シンポジウム
    • 招待講演
  • [学会発表] 同種・異種微生物間における化学コミュニケーション2023

    • 著者名/発表者名
      甲斐建次
    • 学会等名
      静岡大学グリーン科学技術研究所・キノコ科学研究所・生物化学研究室セミナー
    • 招待講演
  • [学会発表] ポリインチューニングによる植物病害の防除を目指して2023

    • 著者名/発表者名
      甲斐建次
    • 学会等名
      微生物でみる農学研究の可能性 ~フードテック・機能性食品・グリーンプロダクツ(生物農薬)で成長産業に挑む~
    • 招待講演

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公開日: 2024-12-25  

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