• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実績報告書

日本における歴史社会水文学の展開に向けた高解像気候復元

公募研究

研究領域ゆらぎの場としての水循環システムの動態的解明による水共生学の創生
研究課題/領域番号 22H05228
研究機関弘前大学

研究代表者

岡崎 淳史  弘前大学, 理工学研究科, 助教 (10790842)

研究期間 (年度) 2022-06-16 – 2024-03-31
キーワード古気候復元 / データ同化 / d4PDF / 古日記
研究実績の概要

地球温暖化と水利用の変化により様々な水に関する問題が顕在化し、今後さらなる深刻化が予測される現代において、水と社会の相互関係を理解する必要がある。本研究では、日本における水害や渇水と社会の相互関係を歴史的に紐解くことを可能にするデータセットを開発することを目的とする。公募研究初年度である令和4年度は、日本域の気候復元に向けて観測情報、第一推定値の取得と整理、及びデータ同化システムの構築を行なう。
日本域古気候復元に向けて古日記記載の天気情報を取得した。具体的には、佐賀県武雄市歴史資料館に保存されている武雄鍋島家の「御日記草書」「御日記地取」「日記地」「武雄御逗留中控」から、天気情報が記載されている項を写真で撮影し、整理・保存した。これにより、江戸時代における日々の天気情報を得られることができ、既存の古日記情報と合わせることでより高精度の復元が可能になる。
また、日本域古気候復元に向けて第一推定値となるモデルシミュレーションデータを取得した。本研究では、大量のアンサンブルメンバーが入手可能である「地球温暖化に資するアンサンブル気候予測データベース(d4PDF)」 のうち、日本付近のみを高解像度で再現する領域モデル実験の過去実験を用いる。本年度は過去実験3000年分(60年×50メンバー)をダウンロードし、次年度の復元に向けてデータの整形を行なった。
上記の観測情報と第一推定値を融合し解析値を得るデータ同化システムを構築した。データ同化アルゴリズムにはアンサンブルカルマンフィルタの一つである局所アンサンブル変換カルマンフィルタを用いた。観測情報と第一推定値をつなぐ観測演算子は次年度に開発する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

次年度に行う復元実験に向けて必要な準備を完了することができたため、おおむね順調に進展していると言うことができる。

今後の研究の推進方策

最終年度である次年度は、「晴れ」や「曇り」といった質的天気情報をd4PDFに含まれるモデル変数に変換する観測演算子の作成を行う。また、観測情報として、古日記情報だけでなく自然アーカイブに記録されている水同位体情報なども引き続き収集・整理する。これらを用いた過去400年間の日本域気候復元を行う。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] 衛星データを用いたため池における水草の有無の推定手法の開発に向けた基礎的検討2023

    • 著者名/発表者名
      小澤泰樹、丸谷靖幸、本田博之、矢野真一郎、渡部哲史、中下慎也、岡崎淳史
    • 学会等名
      土木学会西部支部研究発表会
  • [学会発表] Observation Error Estimation in Climate Proxies with Data Assimilation and Innovation Statistics2022

    • 著者名/発表者名
      Okazaki, A., Kotsuki, S., DieCarrio, D., Yoshimura, K.
    • 学会等名
      AGU Fall Meeting 2022
    • 国際学会
  • [学会発表] データ同化とイノベーション統計を用いた古気候復元と気候プロキシに含まれる誤差の推定2022

    • 著者名/発表者名
      岡崎淳史
    • 学会等名
      日本地球化学第69回年会
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi