第二年度である今年度は、前年度に得られた対称性・不可逆性・量子性のトレードオフを用いた応用を探していくことを計画していた。第一にOTOCなどをはじめとしたスクランブリング指標が、対称性があるとき・ないときで時間変化にどのような違いがあるかを調べる応用を目指す。この時同時に、任意の誤差指標でのWigner-Araki-Yanase定理を得られると期待できるので、これを得ることを期待していた。この目標は無事達成され、目的とする任意の誤差や擾乱、OTOCに対してWigner-Araki-Yanase定理を得ることができた。また、前年度に得た結果をpublishを順次していき、PRL3本を含む6本の論文をpublishすることができた。特にWigner-Araki-Yanase定理の連続量拡張を与えたPRL論文では、該当分野のlong standing open problemを解決し、これによってfeatured in physicsにも選ばれた。
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