公募研究
金属Additive Manufacturing(AM)手法の中でも、レーザ粉末床溶融結合(Lase-based Powder Bed Fusion of Metals: PBF-LB/M)法は、レーザ走査による金属粉末の局所での溶融/凝固を基本とし、一過性の入熱と抜熱により最大107 K/sに達する超急冷温度場を創出することが可能である。こうした高い冷却速度は従来法(例えば鋳造)では実現することができず、PBF-LB/M特有の特徴といえる。一方で、耐熱ハイエントロピー合金 (Refractory High Entropy Alloys: RHEAs)が優れた高温特性をもつ新たな金属材料として近年注目を集めている。一般にRHEAsはアーク溶解法を用いて作製される場合が多い。その理由は、アーク溶解法はMoやWなどの高融点金属を溶解可能であり、比較的簡便に合金を作製できるためである。しかしながら、RHEAsは元素偏析を生じる場合が多く、本合金は理想的な固溶体としての機能性を十分に発揮できていないものと考えられる。こうしたRHEAsで生じる元素偏析を抑制するには、合金が溶融状態から凝固完了までに要する時間の短縮が重要であり、本研究では、(1)合金設計および(2)PBF-LB/Mによる超急冷凝固に注目し、合金設計と材料創製プロセスの両面からの研究アプローチにより、RHEAsの偏析抑制により機能の向上を図ることを目的とした。2023年度は、2022年度に合金設計した新規RHEAを対象に、最大107 K/sに達する急冷を実現可能な材料創製プロセスであるレーザ粉末床溶融結合(L-PBF)造形を実施するとともに、微細組織観察および力学特性解析を実施した。新規RHEAは冷却速度に応じて異なる凝固組織を形成し、超急冷下で形成されたL-PBF材は元素偏析を抑制することが示された。加えて、L-PBF材は室温および高温での優れた降伏応力を有することが示された。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 4件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 3件) 備考 (4件)
金属
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